初心者向け!投資信託の損をしにくい選び方と注意すべきこと

初心者向け!投資信託の損をしにくい選び方と注意すべきこと

投資信託とは

 個人が資産を増やす方法の1つである投資。株式投資や債券投資、FX(外国為替取引)など様々な金融商品がある中で、手軽に始めることができ、投資初心者にもおススメなのが「投資信託(ファンド)」です。

 投資信託は、投資家が投資したお金をひとつの資金としてまとめ、専門家によって株式や債券などへ投資され、運用が行われる金融商品です。資金の投資先は運用方針を基に専門家が決め、運用によって生まれた利益が分配金や値上がり益として還元される仕組みとなっています。元本が保証されていないため損をするリスクはありますが、投資の中でも比較的リスクが低く、少額から始めることができるなど幅広い層に人気の金融商品です。

 この記事では、投資信託の概要から損をしにくい商品の選び方、おススメ商品、投資を始める前に確認すべきことや注意点などを、投資初心者向けに解説していきます。

投資信託の分類

投資信託の分類 特徴
株式投資信託 運用対象に株式を組み入れることが可能な投資信託。
公社債投資信託 運用対象に株式を一切組み入れることができない投資信託。
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)やMMF(マネー・マネジメント・ファンド)などがある。

 投資信託は種類が多く、商品数は6,000程度あると言われています。そのため、商品の特徴を分かりやすくするうえで、いくつかの分類方法で区分することがあります。投資信託協会が制定している「商品分類」には「追加購入の有無」「投資対象地域による区分」「投資対象資産による区分」「独立区分」「補足分類」の5つがあり、区分ごとに分類を組み合わせることにより、商品分類が示されます。さらに詳細な属性を示す「属性区分」も定められており、こちらは7つの区分に分けられています。分類と属性が表示されることで、各商品の特徴が理解しやすくなっています。

 投資対象に関する区分としては、約款上、株式の組み入れが可能な「株式投資信託」と、株式を組み入れず債券を中心に運用する「公社債投資信託」の2つに分けることができます。これらはいつでも購入が可能な「追加型」と、購入時期が限られている「単位型」の2つに分けられます。

投資対象商品の種類

投資信託の種類 特徴
国内債券型 国内の公社債に投資。
安定した運用が期待できる商品が多い。
海外債券型 海外の公社債に投資。
国内債券型に比べて高い収益分配金が期待できますが、為替ヘッジをしていない場合、為替の変動リスクが伴う。
国内株式型 国内の株式に投資。
商品によって「インデックス型」と「アクティブ型」に分類され、投資方針や運用手法が異なる。
海外株式型 主に海外の株式に投資。
為替ヘッジをしていない場合、為替の変動リスクが伴う。また、商品によって投資対象国や投資対象資産、運用の手法が異なる。
バランス型 国内外の株式や債券、不動産投資信託など、複数の資産に分散させて投資するファンド。
分散することによって、リスクを抑えた運用が期待できる。

 投資信託は運用対象や運用方針の違いによってもいくつかの種類に分けることができます。大きく分けると、国内・海外の公社債に投資する「債券型」、国内・海外の株式に投資する「株式型」、国内外の株式や債券など複数の資産に投資する「バランス型」の上記5種類です。投資信託は種類が多いので、初めはファンドの特徴を理解するのもひと苦労ですが、初心者の方は、まずは「国内・海外の債券型」「国内・海外の株式型」「バランス型」の3つを頭に入れておけば充分でしょう。

初心者向け!投資信託を選ぶ前に確認しておくこと

初心者向け!投資信託を選ぶ前に確認しておくこと

 投資信託は、商品の保有期間は専門家が運用してくれるため、専門的な知識がない初心者でも始めやすい金融商品です。しかし、投資をすること自体が初めてだという方は、色々と分からないことも多いと思います。購入商品を選ぶ前に、まずは以下の3つのことを確認しておきましょう。どれも基本的なことですが、事前準備としてとても重要です。

投資の目的を明確にしよう

 投資信託は種類が多いので、どのファンドを買えば良いのか迷ってしまうものですが、投資をする目的によって、購入して保有するのに適した金融商品を絞ることができます。多くの方が、貯蓄や資産形成を目的に投資信託を始めると思いますが、貯蓄と言っても、子どもの教育資金のためなのか、住宅購入資金にするのか、それとも老後の備えとして今から少しずつ長期的に蓄えていくのか、用途によって選ぶべきファンドは変わります。

 まずは、何年後にどのくらいのお金を増やしたいのか整理して、投資期間や目標利回りを事前に決めておきましょう。最初に投資の目的を明確にすることで、ファンドの保有期間の目途が立ち、選ぶべき投資信託も見えてきます。

投資できる金額を確認しよう

 次に、投資できる金額を確認しましょう。投資にはリスクが伴い損失が出る可能性もあるため、運用資金には余裕資金を用います。余裕資金とは、貯金などの今すぐには必要としないお金のこと。余裕資金の具体的な定義はありませんが、貯蓄額から半年分くらいの生活費を差し引いた金額が1つの目安となります。貯金を全額投資にまわすのではなく、手元にある程度のお金を残し、あくまでも投資は余裕資金で行うようにしましょう。それが投資の基本です。

リスク許容度を確認しよう

 投資信託は比較的リスクの低い商品が多いのが特徴ですが、投資にリスクはつきもので、絶対に損をしないとは言えません。そこで、事前に自分のリスク許容度がどの程度なのかを確認しておくことも大事です。リスク許容度とは、損をするリスクのある投資で、どのくらいのリスクを許容することができるのか、その度合いのことです。購入した金融商品が値下がり(元本割れ)した場合、いくらまでなら経済的に、そして精神的に耐えられるのか、資産の面と気持ちの面で、一度シミュレーションをして考えてみましょう。

初心者ならリターンよりリスクを先に考えよう

 投資信託では、初心者の多くが分配金の多さによる利益を追求しがちですが、「分配金が多い=資産が増える」というのは必ずしも正しいとは言えません。分配金が多いファンドの多くは価格変動リスクも高く、その分損失を出す可能性も高いということです。分配金の多さや利回りも重要ですが、投資信託を選ぶ際、初心者の方は特にトータルリターンで判断するようにしましょう。

 トータルリターンとは、株式、債券などへの投資から得られる一定期間の総合的な利益のことです。トータルリターンは以下の計算式で算出し、出た値はパーセンテージで表します。

 トータルリターン=(投資額の時価 + 受取分配金など)÷投資額

リスクの減らし方

リスクを減らす方法
  • 投資先を分散させる
  • タイミングを分散させる
  • 長期保有する

 投資信託でリスクを減らす方法は、大きく分けて「分散投資」と「長期保有」の2つです。

 分散投資とは、投資先を複数に分けることで、値下がりによる資産価値が減少するリスクを少なくする投資スタイルのことです。1つの投資結果が悪くなってしまっても、そのほかの投資先でマイナスとなってしまった分をカバーすることができます。

 同様に、金融商品を長期間保有することで、投資のタイミングが分散されるので、投資期間が長いほど、長い目で見た場合のリスクを軽減することができます。また、投資の基本的な考え方として、投資対象となる企業などは成長して将来的には値上がりする傾向がある、ということがあります。そのことからも、ファンドを長期保有することは損失のリスクの軽減につながると言えます。

初心者におススメの投資信託

初心者におススメの投資信託

 ここからは投資信託の選び方について解説していきます。投資信託は種類が多い分、特徴も商品によって様々で、最初のうちはどんなファンドを選べば良いのか分からないかもしれません。

 投資初心者におススメなのは、比較的リスクの低めな「債券型ファンド」、値動き変動の情報収集がしやすい「国内の株式型ファンド」、分散投資でリスクを回避する「バランス型」の3つです。まずはこの中から、ご自身の投資の目的に合ったものを選んで始めてみることをおススメします。

比較的リスクが低めな「債券型」

 国内外の債券に投資する債券型の投資信託は、株式に比べ比較的値動きが小さいため、リスク許容度が低めで大きな損失を出したくないという初心者の方におススメです。

 債券型には国内債券と外国債券の2種類があります。外国債券は海外の政府や企業などが外貨建てで発行する債券へ投資する投資信託で、国内債券に比べ金利が高く、高いリターンが期待できます。外国債券を選ぶ場合は、為替変動のリスクがあるので、価格変動の大きな要因となります。リスクがあっても為替の差益も楽しみたいという方は、「為替ヘッジなし」、なるべく為替リスクをとりたくないという方には「為替ヘッジあり」の商品を選び、少しでもリスクを回避するようにしましょう。為替ヘッジにはコストがかかりますが、海外の金利が低いときは低コストでの運用が可能です。

情報収集しやすい「国内株式型」

 国内の証券取引所で取引されている株式を組み入れて運用する国内株式型は、債券型の投資信託と比べると価格変動リスクが高く、大きな収益を得ることができる一方、損失を出すリスクもはらんでいます。しかし、値動きの変動が分かりやすく、日経平均株価や組み入れ企業についての情報も新聞やニュース、インターネットなどで目にする機会が多いため、初心者でも分かりやすい投資信託ということができます。価格変動の小さな債券型では物足りないという方は、国内株式型を選ぶのも良いでしょう。

投資信託選びに迷ったら「バランス型」

 投資信託はとにかく種類が多く、商品によって特徴も違うため、「どのような投資信託を選べば良いのか分からない」という方も多くいます。投資信託選びに迷ったら、国内外の株式や債券、不動産投資信託など、複数の資産にバランスよく投資をするバランス型の投資信託もおススメです。異なる資産や市場に投資先を分散することで、リスクを抑えながらの運用ができます。

初心者が投資信託購入後に注意すべきこと

初心者が投資信託購入後に注意すべきこと

 最後に、投資信託を購入した後の注意点について解説します。初めての投資の場合、小さな価格変動でも損をしないか不安になったり、いつ売却すれば利益につながるのかの見極めができず、戸惑うこともあると思います。ここでは、そのようなときにどうすれば良いのかをお伝えしていきます。

短期売買ではなく長期投資を前提に!

 投資では、安いときに買って高値がついたときに売り、短期間の間に売買を繰り返すことで利益を得る方法があります。けれども投資信託は短期売買ではなく、長期投資に適した商品がほとんどです。

 一時的な値下がりで不安になったり、これ以上損をしないようにと損切りを考えることもあるかもしれませんが、基準価額(投資信託の値段)が変動するのが投資信託です。価格変動はあまり気にせず、長い目でみて増やしていくことに意識を向け、一喜一憂しないようにしましょう。

売るタイミングを逃さない

 投資信託を購入したら、重要なのが売るタイミングです。購入後、売却のタイミングは事前に考えておいても良いかもしれません。投資の目的であるお金の使い道がきたタイミングや、最初の目標額を達成したら現金化するのも良いと思います。

 売却時の注意点としては、投資信託は売ってからお金を受け取るまでに1週間程度の時間がかかるということ。売却から入金までの日数は利用している金融機関によって異なりますが、売却してもすぐに換金できるわけではないので注意しましょう。決まった用途がある場合は、売却後の手続きなどにかかる日数を事前に確認しておくと安心です。

さらにおトクに始めるならNISAを活用しよう!

 商品の種類や数が豊富で、比較的低リスクの商品が多いことから、投資初心者向きとも言える投資信託。投資信託を始めるのであれば、通常の課税口座ではなく、非課税口座の「NISA(ニーサ)」を利用するのがおススメです。

 「NISA」は個人の資産形成の助成を目的とした少額投資非課税制度。課税口座で取引した利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で取引した利益は非課税となるので、その分おトクに資産形成ができます。常陽銀行でもNISAを取り扱っており、「投資信託口座開設アプリ」からNISA口座の開設が可能です。常陽銀行の窓口では、ご希望の運用期間や運用目的などをお聞きしたうえで、金融のプロがお客さま一人一人に合ったファンドを見つけるお手伝いをいたします。資料のご送付も可能ですのでお気軽にご相談ください。

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(2024年1月4日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
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以 上

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