配偶者控除廃止で家計にどう影響?

 女性の働き方に影響のある「配偶者控除制度」。2016年の廃止は見送られ、2017年度以降に持ち越されました。パートをしている主婦にとっては今後の働き方にも影響されることを考えると、とても気になりますよね。いつから導入されるのか?働き方を変える方がいいのか?今後の対応も含めご説明します。

配偶者控除とは

 配偶者控除とは納税者(主に夫)と結婚した配偶者(主に妻)に税金の部分で優遇してあげよう、という制度です。

 ではどのくらい優遇されるのかというと、夫の収入から、所得税38万円、住民税33万円が控除を受けることができ、控除された部分には税金がかかってきません。

 ただし控除を受けるには、妻が無職、あるいは103万円以下の収入であることが要件の一つとなっています。

 103万円とは、妻の給与所得から基礎控除である38万円と、給与所得控除である65万円を受けた後の所得が0円となり、所得がなかったものとみなされる金額です。

 具体的に数字で見てみましょう。

 (例)妻の年収が103万円の場合

    基礎控除38万円を年収から引きます。

103万円(年収)−38万円(基礎控除)= 65万円

    次に、基礎控除を引いた金額から給与所得控除65万円を差し引きます。

65万円 −65万円(給与所得控除)=0円

 上記のように、妻の年収が103万円以内であれば、配偶者の所得は0円となり、配偶者控除の適用となります。

配偶者控除の対象者は?

 対象者となる条件は以下のように定められています。

 1.民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。

 2.納税者と生計を一にしていること。

 3.年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

 4.青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

 出典:財務省

配偶控除が廃止になった場合、所得への影響は?

 では、いよいよ廃止になるとささやかれている配偶者控除、実際にどの程度私たちの家計に影響があるのか気になるところですよね?実際の収入例を元に家計への影響と働き方を見ていきましょう。

家計への影響

 配偶者控除が廃止されると、控除されていた部分(所得税38万円・住民税33万円)に、税金がかかってきます。

 今まで配偶者控除を受けていた世帯にとっては、税金が増えてしまう分、収入は減少してしまいます。

 では、税額がどのくらい増えてしまうのか、見てみましょう。

 (例)夫の年収が500万円の場合

    ※税率20%(所得が330万円超695万円以下)

   <所得税>38万円(控除されていた金額)×所得税率20%=7万6千円

   <住民税>33万円(控除されていた金額)×住民税率一律10%=3万3千円

    合計 :7万6千円+3万3千円=10万9千円

 配偶者控除を受けていた時と比べて、税金の面での負担が、年間10万9千円も増えてしまいます。

 さらに消費税が2019年10月には10%に引き上げられることも決定されています。配偶者控除の廃止と合わせて、税金の負担感が大きく、家計へも大きな影響を与えることが考えられます。

廃止になったら働く時間を増やした方がよい?

 では、収入を増やすためにはどのようなことに注意していけばよいでしょう。

 今までは配偶者控除を意識していた方は、自分自身に税金の負担がかかることはなかったかと思います。

 しかし、収入を増やすと、それに伴う税金の負担が生じてきます。

 そこで、パートで働く妻には年収100万円、103万円、130万円、3つのボーダーラインを意識することが重要となってきます。

 以下に妻の支払い義務が発生する税金について表にまとめました。

妻の年収 支払いが生じる税金 夫の配偶者控除
100万円以下 なし 受けられる
100万円超 住民税(自治体によって違う) 受けられる
103万円超 住民税+所得税 受けられない
130万円超 住民税+所得税+社会保険料 受けられない

 住民税はおおむね年収100万円前後が税金を支払うボーダーラインとなっています。

 年収100万円以内に収めることで所得税はもちろん住民税も支払い義務は生じてきません。

 年収100万円を超えると、住民税の支払いの義務が生じるほか、年収が103万円を超えると所得税の支払いも発生してきます。

 現在、社会保障の面で優遇されている年収が130万円です。これは130万円未満の収入の妻は夫の社会保険の扶養に入ることができる金額です。

 このボーダーラインを考えると、さまざまな働き方を考えることができます。

  • 税金の負担を一切受けたくないので100万円以内にする。
  • 夫の社会保険の扶養に入るために130万円を超えないようにする。
    (勤務先、勤務形態等の条件によっては106万円に減額予定)
  • 収入を増やすために働く時間を増やす。

 社会保険の扶養から外れると、健康保険、厚生年金の支払い義務が生じます。ただ、これからのことを考えると、妻の収入を増やしていくことは大きな選択肢の一つです。健康保険や厚生年金等の負担を考えると、年収160万円以上を目指していく必要があります。

 収入をアップさせていく、という目標と同時に、時間が長くなる分、家族に協力してもらえる体制が必要になってきます。そのうえで、自身のキャリアアップに挑戦するいい機会だといえます。

新たに生じる106万円の壁

 パート勤務であっても現行130万円以上の収入がある場合は職場で健康保険に加入することが義務付けられています。妻の給与が130万円未満であれば、夫の健康保険の扶養に入ることができる金額です。それが130万円の壁でした。

 それが、2016年10月から社会保険適用に関する法改正により、以下の条件が揃うと妻の健康保険に加入が義務付けられることとなりました。

  • 週の労働時間20時間以上
  • 年収106万円以上
  • 勤続年数1年以上
  • 勤務先の従業員501人以上

 つまり、この条件が揃うと、106万円以上の収入のある人は、パートであってもパート先の会社で、健康保険に加入が義務付けられることになり、健康保険料の支払い義務が生じることになります。

まとめ

 配偶者控除廃止は2017年度以降に持ち越されましたが、廃止の方向で動いています。

 今まで、配偶者控除を受けることを中心に働き方を考えていた妻が、この制度が廃止されること、また、社会保障の面での優遇額も縮小傾向にあることで、世帯の収入が減り戸惑っていることと思います。ただ、これがライフスタイルを変えるきっかけになるともいえますよね。

 今後の主婦の働き方は様々な選択肢があります。ただ、妻一人ではなく夫や子供、家族の意見と協力が必要です。

 子育て世代、教育費がかかる時期など、その時期に自分に合った働き方でスキルアップ・キャリアアップしていきたいものです。

 さらに、家計の状況を把握する、外食は控える、節約を心がけるなど、生活スタイルから見直すことも大切です。そのためにも、いかに賢くお金を貯められるかを考えていくことも必要なことですね。

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(2016年8月15日)

以 上


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