地域に咲く、協創ストーリー
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国内市場の変化を、世界進出のチャンスに~成長と継承の両輪で地域企業の持続性を支援~

株式会社セイワ食品 代表取締役長津 正則氏
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1981年創業、チョコレート加工品を中心とした製造を手がける株式会社セイワ食品様。
国内大手メーカー各社のOEM製造において安定した事業基盤を持ち、
近年は自社ブランドを立ち上げ実店舗も複数展開する、
茨城県筑西市を代表する企業の一つです。
代表取締役 長津氏に、地域との深いつながりや、
更なる成長を見据えた海外展開についてお話しいただきました。

人口減少が進む地域の盛り上げ役として

地域企業として、地元・筑西市が抱える課題とどう向き合っていますか?

長津氏 : 筑西市が3つの市町と合併して誕生して20年ほどですが、地域では人口減少が進んでいます。このような状況だからこそ、着実に事業を成長させ、地元の経済を牽引していくことが当社の果たすべき地域貢献だと捉えています。地元での採用の状況は年々厳しくなっていますが、近年は意欲のある海外からの人材雇用にも力を入れているところです。

自社ブランドを武器に、世界へ販路拡大を狙う

OEM製造をメインに事業を展開されてきましたが、新たに自社ブランドを立ち上げた狙いを教えてください。

長津氏 : 設立以来OEM製造で安定した事業基盤を確立することができているからこそ、近年は自社商品を持ち、自ら事業を仕掛けていく重要性について考えるようになってきました。そこで2017年に立ち上げたのが自社ブランド「Bromagee」です。まず埼玉県川越市に第1号店を開店、その後筑西市の道の駅にも出店させていただいています。

当社ではこれまでも人気テーマパークのお土産やスーパー、コンビニなどに並ぶ有名な商品を多く手がけてきたため、スタッフも自分たちの仕事にやりがいを感じていたと思います。加えて、セイワ食品という社名でオリジナル商品が世に出たこと、自分たちの店舗を構えられたことでさらなるモチベーションにつながっていると感じます。

自社ブランドを立ち上げたことは、経営においてどのようなプラスの効果がありましたか?

長津氏 : これまでのOEM製造ではかなわなかった、さらなる販路拡大を目指せるようになったことは大きな変化だと感じています。具体的には自社ブランドを核とした海外展開を進めています。既に進出しているのは中国です。

中国への輸出事業は、ここ数年で自社商品のラインナップを増やし拡大を目指しているところです。またベトナム・ホーチミンにはチョコレートの原料となるカカオを生産するための自社農園を取得しました。2025年には同国内で製造工場を立ち上げる計画も進んでいます。

海外展開において欠かせない「現地でのコミュニケーション」と「規制への対応」

セイワ食品の海外進出をサポートすべく、常陽銀行も海外事業展開のため、さまざまなご支援をさせていただいています。

長津氏 : 常陽銀行さんは世界に幅広いネットワークを持ち、当社の海外進出にあたってもこれまでの海外進出支援のノウハウを活かした的確なアドバイスやサポートをいただいています。

たとえば国内製造した製品を輸出する際はHACCP認証が必要になるため、取得のための工場設備増築の際には設計・施工から、補助金の申請手続きまで一貫して面倒を見ていただきました。中国国内での製造を開始する際も、上海駐在の常陽銀行担当者の方のお手伝いがなければ実現しなかったといっても過言ではありません。ベトナムでは現地駐在の担当者の方がわざわざ農園まで尋ねてきてくださり、現地の提携銀行を通じた細やかなサポートをいただきました。

ビジネスを海外展開する際にとくに苦労するのは、現地の方との意思の疎通です。とくに中国では相手方がYESと言っていても、実際は話が通っていないということも少なくありません。そういった現地独特のビジネスの進め方や文化の違いなどについても、常陽銀行さんが間に入ってフォローしてくださるのでとても助かっています。

常陽銀行は、HACCP補助金の申請に向けた輸出事業計画の策定、実行支援、補助金採択後のファイナンス支援まで地元企業の海外進出を一気通貫で支援しています。

経営の安定と挑戦で、変化に対応していく

今後の展望を教えてください。

長津氏 : 近年の気温上昇の影響もあって、チョコレートの出荷時期が後ろ倒しになるなど現在は業界的にも大きな変化の時期を迎えています。こうした環境の変化に対応していくためにも、既存の販売先にとどまらない、新たな市場の開拓が重要になってくると考えています。

すぐには難しいですが、長期的な目標としてロシアの進出を考えています。先日たまたま訪れる機会があったのですが、地域によって差はあるものの現地は夏でも最高気温が25℃ほど。とても過ごしやすく、チョコレートの製造に向いた気候条件がそろっていました。また文化的に甘いお菓子を食べる習慣もあるという点でも、需要が見込めるのではないかと考えています。

最後に、常陽銀行に期待することを教えてください。

長津氏 : 現在多くの銀行とお付き合いいただいていますが、中でも常陽銀行さんは優秀な方が多い印象があります。とくにすばらしいのは提案力です。

当社では近年事業承継を考えるタイミングにあり、以前から常陽銀行さんに相談をさせていただいていました。ネックとなっていたのは、事業の成長に伴い株価が上昇していることで、息子たちに会社を引き継ぐにあたり負担が大きくなってしまうこと。

こういった当社の悩みに寄り添い、常陽銀行さんが提案してくださったのが、役職の移譲に先行して株式を移譲すること、そしてホールディングス化することによる事業承継でした。これらの手順を一つひとつ着実に進めていったことで、法律に則ったスムーズな事業承継を実現。現在はじっくりと息子たちへ役職を引き継ぐための準備を進めているところです。

当社のように、現在は多くの地域企業が経営の安定を図りつつ、新たなフィールドへの挑戦も求められている時代だと思います。常陽銀行さんにはこうした企業それぞれの声に寄りそいながら、的確な提案で地域を牽引してくださることを期待しています。

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