地域に咲く、協創ストーリー
STORY
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より良い明日を創る化学メーカーの挑戦
~新工場と成長戦略支援~

トーヤク株式会社 代表取締役社長堀江 亮介氏

家庭園芸用の農薬や害虫駆除剤、工業用・家庭用の洗浄剤などを開発・製造する
トーヤク株式会社様は1946年創業の歴史ある化学メーカー。
お客さまの声を大切にし、より良い明日の生活を創造することを理念に掲げ、
安心安全な製品を供給してきました。現在、茨城県中央工業団地に新工場を建設中であり、
園芸用農薬の製造能力強化とサプライチェーンの強靭化を目指しています。
その実現に向けて、常陽銀行は中長期的な事業計画の策定やシンジケートローンの
組成等をご支援しました。環境と地域に配慮した成長戦略に取り組む同社の歩みを
堀江社長に伺いました。

お客さまの声を活かす企業としての使命

御社が向き合う「地域課題」について詳しく教えてください。

堀江氏 : 私たちは家庭園芸用の農薬や害虫駆除剤、各種洗浄剤を通して、暮らしを支えています。近年、家庭園芸市場では安全性や環境配慮へのニーズが高まり、国内での安定供給が強く求められています。また、中小製造業を取り巻く環境は激変しており、資材高騰や環境規制、人材確保といった課題に直面しています。こうした中、私たちは茨城県稲敷郡美浦村にある美浦工場に加え、新たに県央地域で国内サプライチェーンを意識した最新鋭工場を稼働させることで、地域産業の発展と雇用創出に貢献したいと考えています。

御社がその「地域課題」の解決に取り組むようになったきっかけ、想いをお聞かせください。

堀江氏 : 当社は1946年に工業薬品問屋としてスタートし、その後自社調合や製造への転換を経て、つくば・土浦・美浦へと拠点を移しながら事業規模を拡大してきました。激動の時代を乗り越えられたのは、お客さまや取引先、社員の支えがあったからです。お客さまの声に耳を傾ける経営理念を胸に、環境対応パッケージや差別化商品の開発を進めてきました。しかし需要拡大に対応するには現美浦工場だけでは十分でないため、長期ビジョンを踏まえ新工場建設を決断しました。

新工場建設と持続的成長の取り組み

その「地域課題」解決のため、具体的にどのような取り組みをしていますか?

堀江氏 : 第一に、園芸用農薬を中心とした製造能力強化のため、茨城県中央工業団地に新工場用地を取得しました。2035年を見据え、現美浦工場を中核として最先端の情報・エネルギー・マテハン技術を取り入れた国内サプライチェーン拠点を構築します。新工場稼働後は第二期・第三期の工場開設も検討する計画です。
生産面では、長年のOEMや製造受託で培った商品企画・開発力に加え、有効成分研究から効能評価まで一貫した開発体制を整えています。多品種少量生産に対応する柔軟な製造ラインと農薬取締法・薬事法など各種法令に則った品質管理体制を構築し、安心して使える製品を届けています。既存工場では省エネ対策として照明のLED化と本数削減を進め、再生可能エネルギーの活用として工場屋根に456枚の太陽光パネルを設置し、クリーンな電力を生産活動に利用しています。包装や社内事務の無駄を徹底的に見直し、小さな企業でも環境対策に取り組む姿勢を社員全員で共有しています。さらに、DX方針では品質管理のデジタル化やグループウェア導入、クラウドファンディング活用など、デジタル技術を取り入れた製販一体の仕組み作りを進めています。

変化の時代に求められる姿勢と戦略

地域課題の解決を加速するためには、企業にはどんな姿勢や戦略が必要だと考えますか?

堀江氏 : まずはお客さまの声を大切にし、社会のニーズに応える製品を開発し続けることです。経営理念には、お客さまに感動してもらえる真心の籠った製品の提供、地域への貢献、健全な経営を掲げています。その実現のために、全社連携で無駄を排除し良質な製品を生み出す体制を整え、安全で明るい職場環境を作り、人財育成に注力しています。また、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの導入や省資源化など環境経営を徹底し、デジタル化による業務効率化も推進する必要があります。

常陽銀行との連携

上記に関して、常陽銀行の連携が助けになっていることがあれば教えてください。

堀江氏 : 新工場建設という大型投資を進めるにあたり、常陽銀行さんには茨城県との連携による用地紹介や自社を取り巻く外部・内部環境の現状分析をサポートしていただきました。また、新工場に関する事業計画策定では施策の検証や投資効果の数値化など多角的なアドバイスを受け、シンジケートローンの組成においてもアレンジャーとしてご協力いただきました。銀行の支援により、ステークホルダーに当社の状況を正しく理解してもらい、中長期的な成長に向けた土台を築くことができました。

次代へ向けたビジョン

次の時代に向け、御社が地域のために取り組んでいこうと考えていることを教えてください。

堀江氏 : 2035年までに売上高50億円、EBITDA8億円、従業員150名、再生エネルギー比率50%を目標に掲げる中期ビジョンを策定しました。新工場の軌道化後には第二・第三工場の開設も検討し、2050年に売上高100億円、再エネ比率100%を達成する長期ビジョンへと繋げていきます。今後は園芸用除草剤の開発だけでなく、家庭・工業用洗浄剤や衛生用品など幅広い分野で高付加価値商品を展開し、地域の成長と環境対策を牽引するトップランナーを目指します。社員一人ひとりが個性と能力を発揮し、幸せを実感できる職場づくりにも力を入れます。

最後に、これからの常陽銀行に期待することは何ですか?

堀江氏 : 常陽銀行さんには、新工場建設後も現場の視点を踏まえた伴走支援を続けてほしいと考えています。特に、環境対応投資やデジタル化に関する最新の情報提供、公的支援制度の活用支援、県内企業との連携による新しいビジネス機会の創出などを期待しています。当社は今後も「お客様の声を大切に、より良い明日の生活を創造する」という理念のもと、地域と環境に寄り添った化学メーカーとして歩み続けたいと思います。

トーヤク株式会社様は、長年培った商品企画・開発力と柔軟な製造体制を強みに、家庭園芸や日用雑貨の分野で高品質な製品を提供してきました。新工場建設を契機にデジタル技術や再生可能エネルギーを積極的に取り入れ、国内サプライチェーンの強靭化と環境経営を両立させようとしています。常陽銀行は、現状分析支援や事業計画策定、シンジケートローンアレンジで伴走させていただきました。お客さまの声から生まれる製品づくりと地域への貢献を軸に、同社が続ける未来への挑戦に常陽銀行も共に歩んでいきます。


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