ペット保険(猫・犬用)の加入は必要?メリット・デメリットを解説

ペット保険(猫・犬用)の加入は必要?

猫・犬のためにペット保険は必要?

 少子化の続く日本ではペットを飼っている世帯が多く、中でも人気はやはり猫と犬。一般社団法人ペットフード協会による「2019年(令和元年)全国犬猫飼育実態調査結果」によると、全国の推計飼育頭数は猫が約978万頭、犬が約880万頭という結果になっており、多くの猫と犬が大切な家族の一員として、私たち人間と生活を共にしていることが分かります。

 大切な家族である猫や犬も、人間同様、ケガをしたり病気になることがあります。しかし、人間と違ってペットには公的な健康保険制度がなく、動物病院を受診した際の医療費は全額自己負担となるため、必要な治療をきちんと受けさせてあげたいと思いながらも、高額な医療費に頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。

 そんな飼い主の悩みや金銭的負担を軽減してくれるのが「ペット保険」です。しかし、まだまだ加入率は少なく、加入すべきかどうかの判断も難しいため、お悩みの方も多いようです。そこでこの記事では、ペット保険はどのようなものなのか、メリットとデメリットを比較しながら、ペット保険への加入が必要かどうかを探っていきます。ペット保険への加入を迷っている方は参考にしてみてください。

猫や犬の医療費の負担は高額になることが多い

 猫や犬を飼っている方の多くが、何らかの目的で動物病院を訪れたことがあると思います。その際、人間よりも高額の医療費に驚いたこともあるのではないでしょうか。

 猫や犬などペットの医療費は全額自己負担となるため高額です。ケガや病気とは無縁の猫や犬も多く、「そこまで気にしたことがない」という方もいるかもしれませんが、突然の手術や入院が必要になったとき、治療にかかる医療費が想像以上に高額となり、慌ててしまうケースも少なくありません。

 この章ではまず始めに、ペットの医療費にかかる月額平均と、ペットの医療費が高額になる理由を見ていきます。

猫の病院代の平均は月額7,000円弱、犬は9,000円強

 日本獣医師会の「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査」によると、猫の病院代の平均は月額7,000円弱、犬は9,000円強になるそうです。過去の治療費の最大額は、大型犬が平均約7.5万円で最も高く、猫が平均約5.5万円で最も安い結果に。年齢別に見ると、猫も犬も13歳以上になると医療費が増えていることが分かりました。動物病院の利用頻度は、猫・犬合わせて半年に1回程度が21%でボリュームゾーンとなり、年平均では7.4回という数字が出ています。

 また、動物病院の満足度においては診療費の満足度が低く、「動物を飼ううえで困ること、不安なこと」という質問の回答では「病気などの治療にお金がかかる」ことが上位にきていました。やはり多くの方がペットの医療費には頭を悩ませているようです。

公的健康保険制度がないため全額自己負担

 猫や犬などのペットの医療費が高額になる大きな理由は、ペットには公的な健康保険制度がないからです。人間の場合、医療費の自己負担額は年齢によっても違いますが、保険が適用される場合は1~3割負担が一般的です。けれども動物病院では自由診療となるため、ペットの医療費は全額自己負担となります。日常生活の中で人間の診療の多くは保険が適用されるため、人間の医療費との価格差も、ペットの医療費を高額に感じてしまう要因の1つになっているかもしれません。

ペット保険とは

 ペットの高額な医療費の経済的負担を軽減し、飼い主のお金に関する悩みを解決してくれるのが「ペット保険」です。

 ペット保険は、ペットのケガや病気のリスクに備えるための保険です。人間の医療保険と同じように、ペットが動物病院で受けた診療や治療など、ペットの通院、入院、手術の費用に対して一定の支払いが補償され、費用の一部が保険として支払われます。医療費の7割を補償してくれる内容のペット保険なら、人間の健康保険制度と同様の医療費負担の軽減が見込めます。

 手術や長期入院、高度な治療が必要となった場合は医療費も高額になりますが、ペット保険に加入していることで、急な手術や入院が必要となっても突然の高額出費に焦ることなく、安心して治療に専念することができます。近年はペットも高齢化が進み、ケガや病気のリスクが高まっていることから、ペット保険のニーズは年々増加しています。

ペット保険の補償対象と対象外

補償対象の場合が多い項目 補償対象外の場合が多い項目
初診/再診/治療/処置手術/薬/麻酔 歯科治療/去勢/避妊/妊娠・出産/ワクチン接種/健康診断

 ペット保険の加入を考えたとき、気になるのが補償の対象です。補償内容は加入しているペット保険により異なりますが、一般的には、ケガや病気による通院での診療、薬代、入院での治療、手術をした場合に保険金がおります(ただし、特別事項に当てはまる理由によって生じたケガや病気については補償対象外となります)。また、ワクチン接種や健康診断、歯科治療、去勢手術や避妊手術、妊娠・出産は補償の対象外となるケースがほとんどです。

ペット保険に入るメリット

ペット保険に入るメリット

 ペットの高齢化によりペット保険のニーズは年々増えています。しかし、ペットを飼っている世帯数を考えると、加入率は実はそこまで多くはありません。それは、どのようなメリットがあるのかあまり知られていないからではないでしょうか。

 この章ではペット保険に加入するメリットを詳しく見ていきます。

医療費の自己負担額を抑えられる

 ペットの医療費は全額自己負担となることから、ペット保険に入る一番のメリットは「ペットの医療費を抑えられる」という点です。病院で高額な出費があると、通院の頻度を増やすことに及び腰になってしまいがちですが、保険に加入することで、経済的にも精神的にも負担が軽減され、その時々で最適な治療を受けやすくなります。

 また、本来なら通院が必要な猫や犬の場合は、出費が気になるから病院には行かない、という選択をする必要がなくなります。

高度な治療や入院の選択をしやすくなる

 ペットの場合、大きな手術や長期の入院など、あまりにも高額な医療費がかかる場合、その手術や治療を諦めてしまうかもしれません。しかし、ペット保険に加入していれば、数十万円もする手術や慢性疾患での長期にわたる通院の必要がある場合なども、高額な治療費をある程度カバーすることができます。

 もちろん、自己負担で払う費用もあるため、診療や治療の回数が増えればそれなりの出費にはなりますが、ペット保険に加入していることで、手元にそこまでの備えがなくても、医療費が高い治療を選択できるのもメリットです。

損害賠償に対応してくれる保険もある

 ペット保険には、飼っているペットが原因で法律上の損害賠償責任を負った場合に、保険金で補償される「ペット賠償責任特約」があります。これは主契約に付帯できる特約で、例えば飼っているペットが散歩中にほかのペットにかみつきケガをさせてしまったときや、ペットが人に危害を加えたり、財物損壊の被害を出してしまい損害賠償を請求されたときなどに有効です。特に、散歩などで外出が日課となっている犬は、思いがけない事故に巻き込まれてしまうことも考えられるので、この特約があると安心です。

ペット保険のデメリット

ペット保険に入るデメリット

 次は、ペット保険のデメリットについて見ていきます。デメリットとなる点については、メリットと同じようにやはりお金のことです。人間の生命保険同様、保険料の支払いによる毎月の出費が増えることが多くの飼い主のネックとなっているようです。また、保険が必要なペットの健康状態が良くないときには加入できない場合もあるため、加入していないという意見もあります。詳しく見ていきましょう。

毎月の保険料がかかる

 ペット保険は毎月の支払いとなり、保険料は保険の種類や契約内容によって様々です。一般的には、月々千円台~数千円程度のものが人気のようです。数千円の出費で大切な猫や犬の万一の備えになるのであれば安いものですが、数年単位となると支払う金額も大きくなるため、ケガや病気とは無縁の元気なペットの場合、自己負担で支払う医療費よりも毎月支払う保険料のほうが高くなってしまうことがあります。

 また、ペット保険には返戻金や貯蓄の要素もなく、税制控除もありません。多くが掛け捨てタイプなので、動物病院にかかる頻度の高いペット以外は、保険に加入してもお金を無駄にしてしまうという見方もあります。さらに、保険に加入していたとしても何割かの自己負担での支払いは発生するため、加入をためらう方が多いようです。

ペットが高齢になるにつれて保険料が上がるものが多い

 ペット保険は、ペットの年齢によって保険料が区分され、更新していくものがほとんどです。人間と同じように、ペットも年齢を重ねるとその分保険料が高くなり、特に犬などの場合は毎年更新となり、金額も変動します。また、人間の医療保険の場合は、加入した年齢時の保険料がある程度継続されますが、ペットの場合は加入時の保険料が安かったとしても、継続すると年々金額が上がっていくので注意が必要です。

健康状態によっては加入できない場合がある

 ペット保険は人間同様、保険加入の申し込み時にその時の健康状態や過去のケガ・病歴を告知する必要があります。そのため、過去のケガや病気の履歴など告知内容によっては審査が通らず、希望のペット保険に加入できない場合もあります。加入のタイミングは判断が難しいところではありますが、ペット保険への加入を考えているのであれば、若くて元気なときに加入しておくのが良いでしょう。

 また、保険の契約更新のタイミングで病気などが発覚してしまうと、それまで長期間保険料を払い続けていたとしても継続加入を断られてしまうケースもあります。保険会社の判断となるため、継続可否の明確な基準はありませんが、保険が必要となるときに頼ることができない可能性も考慮したほうが良いでしょう。

ペット保険を選ぶときのポイント

ペット保険を選ぶときのポイント

 最後に、ペット保険を選ぶときに注意したい点について解説します。ペット保険はお金のことだけでなく、必要とする補償や機能がついているか、使い勝手が良いかなどもきちんとチェックしておく必要があります。

補償内容を確認する

 ひと言でペット保険といっても、保険会社やプランによって補償内容は異なります。まずは、飼っている猫や犬にどのような補償が必要なのかを明確にしましょう。そして、加入するペット保険の補償内容で、いざというときに備えることができるのかをきちんと見極めることが大切です。

 また、ペットを飼い始めてすぐに行うワクチン接種や去勢手術、避妊手術をはじめとした妊娠・出産に関する診療は保険の対象外となっていることがほとんどです。保険の補償対象、それから対象外となる項目も併せて確認し、ペット保険に加入したものの、必要なときに充分な補償が得られなかった、ということにならないよう気をつけましょう。

窓口精算か直接請求か

 ペット保険の保険金は、支払われる方法が主に2つあります。

 1つは、会計時に動物病院の窓口で精算できるものです。窓口精算は対応動物病院に限定されますが、会計の際に保険金請求額を差し引いた金額を支払うことが可能で、別途保険金の請求手続きを行う必要がありません(条件によっては保険会社への請求が必要になる場合もあります)。

 もう1つは、保険会社へ直接請求する場合です。直接請求の場合、すべての動物病院で対応していますが、一度、診療費を自己負担で全額支払い、後日保険会社に保険金を請求する必要があります。

 どちらの方法でも問題はありませんが、窓口請求の方が請求書類をまとめる手間を省くことができ、病院で受診するたびに都度費用を立て替える必要がないので便利です。

加入や更新の際に年齢制限が設けられているか

 通常、ペット保険には、新規で加入できる年齢制限が設けられています。保険会社やプランにもよりますが、老年期と言われる10歳前後(8歳~12歳ごろまで)が一般的なボーダーラインです。中には終身タイプの保険もありますが、この年齢制限によって、ペットが高齢になり保険を必要とするようになってからでは加入できなくなってしまうので注意しましょう。

 また、年齢制限があるペット保険は、これまで何年も保険料を払い続けていたとしても、年齢を越えてしまうと更新できず、契約終了となってしまいます。ペット保険を選ぶときは必ず「新規加入年齢」と「更新可能年齢」を確認するようにしましょう。

ペット保険に加入して愛猫・愛犬の健康を守ろう

 家族の一員である大切な猫や犬の医療費負担を軽減してくれるペット保険。ペット保険に入っていれば、突然の手術や入院にも慌てることなく大切なペットの治療に専念することができるので、経済的にも精神的にも飼い主としては安心です。ただ、月々の保険料の支払額を考えると、本当に必要なのか、判断に迷ってしまうのも事実です。ペット保険への加入が必要かどうかはペットの健康状態や通院の頻度によっても変わってくるので、一度、保険料のシミュレーションをしてみると、保険が必要な場合とそうではない場合のイメージがつかみやすいのでおススメです。

 常陽銀行で取り扱っているアニコム損害保険のペット保険は、日々の通院から大きな手術や入院までフルカバーで補償する保険です。70%補償プランと50%補償プランの2つがあり、新規加入は7歳11カ月まで、その後は原則として終身で継続が可能です。ケガや病気のときだけでなく、病気の早期発見のサポートや健康チェックのほか、気になることは、LINEで獣医師に気軽に相談することもできます。また、会計時は病院窓口で「どうぶつ健康保険証」の提示をするだけで保険金の請求が完了するので、保険の請求手続きの手間もかかりません。

 ペットも家族の一員として健康に気をつかう時代、お金を気にすることなく、いつでも最適な医療を受けさせてあげましょう。

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(2020年8月20日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
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以 上

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