マンションのリフォーム費用はどれくらい?場所ごとの費用相場や節約方法を紹介

マンションのリフォーム費用はどれくらい?

みんなのリフォーム事情

 家の老朽化した部分の修繕や改修、設備を更新し、新築のような状態に戻すリフォーム。一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会によって行われた「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査 第11回 調査報告書(平成31年2月)」によると、マンションのリフォームをしたタイミングは築15年未満が25.7%、築30年以上は25.3%だそうです。

 マンションは建物の構造上、戸建てよりも様々な制約があり、リフォームする場所や内容、規模によって、かかる費用も様々です。リフォームは頻繁に行うものではなく決して安くはないため、これからリフォームをする予定のある方は、予算だけでなく事前に相場や適正価格を確認し、自宅のリフォームにかかりそうな概算金額を出しておくと、無駄な費用をかけずにすむかもしれません。この記事では、マンションのリフォームにかかる費用の相場や、リフォームの費用を安く抑えるポイントなどを解説します。

将来リフォームをしたい人は約8割以上

リフォームをしたいと思いますか?
調査概要

 常陽銀行がマンションを購入した人を対象に行ったリフォームに関する調査によると、将来、マンションのリフォームをしたいと考えている人は全体の約8割以上でした。その中で、具体的なリフォームの時期を考えている人は、1年以内は全体の8%弱、3年以内は9%、10年以内は約19%という結果になっています。

マンションのリフォーム予算相場は約100~300万円未満が多い

リフォームの予算を教えて下さい
調査概要

 リフォームの予算については、100万円~300万円未満で考えている人がもっとも多く全体の約44%、次に多かったのが50万円~100万円未満の約22%でした。もっとも低予算の50万円未満は約16%、リフォームの予算としては少々高額となる300万円~500万円未満は11%、さらに高価格帯の500万円~1,000万円未満は約7%という結果になりました。やはりリフォームはしたいけれども必要な箇所のみ改修し、そこまでお金をかけたくない、という人が多いようです。

場所別:マンションのリフォーム平均費用相場

場所 平均相場
キッチン 約70万円
浴室 約80万円
トイレ 約40万円
リビング 約160万円

 家全体を改修することが多いリノベーションと違い、リフォームは老朽化した場所の部分的な改修となります。マンションのリフォームを検討している場所として、「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査 第11回 調査報告書(平成31年2月)」では、洗面・トイレが55%と最も多く、次いでキッチンが53%、浴室が約50%、リビング・居間が約38%という結果が出ています。

 この項目ではリフォームの多い場所別に、リフォームにかかる費用の相場と時期の目安、ポイントを解説します。リフォームには適正価格がなく、場所によっても耐久年数や修繕時期は違うので、1つの目安として参考にしてください。

 また、マンションには個人がリフォームできる範囲や禁止事項が定められている場合があります。後々トラブルとならないよう、マンションの管理規約などには事前に目を通しておきましょう。

キッチンのリフォーム平均費用相場:約70万円

 キッチンのリフォームにかかる費用の相場の平均は約70万円です。コンロやレンジフードなど部分的なリフォームであれば、比較的低予算ですませることができます。また、システムキッチンも小型であれば、そこまで高額にならないケースが多く、レイアウトを変えずにリフォームすることで、工事費用を大幅に抑えることが可能です。

 ポイントは、便利そうに思えても不要な機能は迷わずカットし、必要なものだけを取り入れること。また、キッチンの場合、予算を考えると部分的なリフォームがおススメですが、一部を交換・変更するとサイズが合わず、無駄なスペースができてしまうこともあります。サイズや周りとの調和にも配慮して改修を進めることが大切です。

 リフォーム時期:築10年~20年

 リフォームの時期は、マンションの築年数を1つの目安として考えます。キッチンは水回りの交換時期である10年~20年がリフォームの目安になるので、マンションの築年数が10年~20年のタイミングで考えるとよいでしょう。部品の交換などで済む場合もあれば、状態によっては、システムキッチンごと交換する場合もあります。

浴室のリフォーム平均費用相場:約80万円

 浴室のリフォームにかかる費用の相場の平均は約80万円です。浴室はタイルやシャワーの劣化など表面的な改修もあれば、構造的な面で補強や交換が必要になる場合もあるため、リフォームの費用は浴室の状態や改修の内容によって大きく変わります。

 また、近年のバスルームには、床暖房やミストサウナなど魅力的な機能を多数追加することができます。しかし、機能の追加は費用増にもつながるため、キッチン同様、普段の生活に本当に必要な機能なのかを考え、使用頻度が低そうであれば不要と割り切り、コストを抑えることが大切です。リフォームが必要な場所と工事にかかる費用は、あらかじめ明らかにしておきましょう。

 リフォーム時期:築10年~20年

 浴室のリフォームも、水回りの交換時期に合わせ、築10年~20年を1つの目安として考えます。ただし、水回りは劣化しやすく、状態がひどくなってしまうと改修工事も大規模になってしまうため、異変を感じたら早めに対処することをおススメします。最初に不具合が出やすいのは給湯器で、10年程度で定期的な交換が必要になる設備です。

トイレのリフォーム平均費用相場:約40万円

 トイレのリフォーム費用の相場平均は約40万円です。部分的な簡易修繕であれば、そこまで高額な費用はかかりません。便器を交換する場合は、排水方式により設置できる便器が異なるため、工法・構造の事前確認やスペースの確認、配管などに問題がないかを確認しましょう。また、トイレを快適な状態に保つためにも、トイレ内の防臭・防音・換気などについても問題がないか見直すとよいでしょう。

 リフォーム時期:築10年~20年

 トイレは部分的な不具合によって部品交換が早めにきます。トイレに不具合があると不便なので、修繕が必要な場合は早めに対処しましょう。便器の交換は、ゴムパッキンや配管などの劣化が気になり始める10年~20年を1つの目安として考えるとよいでしょう。

リビングのリフォーム平均費用相場:約160万円

 リビングのリフォームの費用の相場平均は約160万円です。面積が広いこともあり、他の場所と比較すると高額になります。また、キッチンや浴室などの水回りは設備の更新や修繕が目的となることが多いですが、リビングのリフォームは間取りの変更や模様替えが多いのが特徴です。リフォームのポイントとしては、どのように変えるのか具体的なイメージを持つこと。また、リビングは家族全員が過ごしたり、ゲストを招く場所となるため、見た目だけでなく、室内の換気や防臭、断熱性、温度調整、採光などの機能面もチェックし、現状のままで問題ないかを事前に検討しておくと良いでしょう。

 リフォーム時期:汚れや傷が目立ってきたら

 リビングは家族全員が過ごす大切な場所です。リビングのリフォームは家庭によってタイミングが異なりますが、皆が心地よく過ごすためにも、壁紙やフローリングの傷や汚れが目立ってきた時がリフォームをする1つの目安となります。また、家族構成やライフスタイルが変わったときなどに、間取りを変えるなどの大規模なリフォームをする家庭も増えています。

リフォーム費用を安く抑えるポイント

ポイント

 リフォームをするなら満足のいく仕上がりにしたいものですが、できれば費用は安く抑えたいのが本音です。しかし、費用を抑えるために、改修工事の特性などを理解せずにコストダウンだけをしてしまうと、かえってリスクが発生したり、納得のいかない結果になる可能性もあり得ます。

 リフォームの費用を安くするには、普段からこまめなメンテナンスをして、設備の劣化を少しでも防ぐことです。それでもリフォームが必要になった場合は、複数の施工業者から見積もりをとって比較し、一番条件の良い業者を選びます。リフォームの内容によっては補助金や減税制度が利用できるので、それらをうまく活用しましょう。

見積もりを数社からとって比較する

 リフォームには明確な費用の設定はありません。費用やリフォームの提案、工事内容は施工業者によって異なるため、最初に2~3社のリフォーム業者から相見積もりをとりましょう。数社で比較することで、大体の費用感や必要な改修、不要な改修などの判断がしやすくなります。また、悪徳業者などとの契約トラブルも避けることができます。

 様々な業者があるので、業者選びは信頼性で選ぶと安心です。また、安い見積もりを出してくれた業者が良いとも限りません。予算や希望に合ったリフォームをしてくれるところを探しましょう。

こまめにメンテナンスを行う

 リフォームは改修が大規模になるほど費用も高額になります。そのため、リフォームを安く済ませるには、日頃からこまめに掃除やメンテナンスを行い、小さな傷や劣化も目についたら補修することです。自分で対処できる箇所は自分で行い、専門技術などが必要な場合はプロに依頼し、都度修繕しておけば、余程のことがない限り、高額な改修が必要になることはないでしょう。設備は経年劣化するものなので、自分でメンテナンスを行う場合もプロに依頼する場合も、計画的に行うことが大事です。

補助金や減税制度を利用する

リフォームの種類 補助金や減税制度名
省エネリフォーム
耐震改修
バリアフリーリフォーム

 リフォームは一定の要件を満たすと、リフォームにかかった工事費の一部を補助してくれる「補助金」や「税金の控除や減税」などの優遇制度を利用することができます。特に、省エネ・耐震改修バリアフリーリフォームでは補助金や減税制度を活用できることが増えています。

 補助金は一戸建ての方が助成額が高いですが、マンションでも最大15万円が支給されるケースもあります。補助金制度を賢く利用しおトクにリフォームできるよう、事前に調べておくことをおススメします。補助金は各制度ごとに対象となる工事や対象期間などが定められているので、リフォーム業者にも補助金を利用したいことを伝えましょう。

 また、リフォーム減税の対象となる税金は「所得税(控除)」「贈与税(非課税措置)」「固定資産税(減額)」「登録免許税(軽減)」「不動産取得税(特例措置)」の5つです。それぞれ対象となる工事や税率、他の優遇制度との併用の可否などが決まっています。申請先や期限も違うので、工事に着手する前に確認しておくと安心です。

マンションのリフォームは計画的に

 マンションのリフォームは、突然の不具合などで急を要する場合を除き、前もって計画を立てて行うのが理想です。リフォームの時期やリフォームが必要な箇所を見極めるとともに、金額の見積もりもしっかりと行いましょう。一度、リフォームの内容を書面にまとめ、数字を確認することで、節約できる費用や不要なリフォームを見直すことができます。

 同時に、リフォームに必要な費用を計画的に準備しておくことも大切です。リフォーム用の資金を少しずつ貯蓄するなら、少額からの投資が可能なNISA(少額投資非課税制度)がおススメです。NISAは売却益や分配金が非課税となり、預貯金よりも効率よく資産形成できるのがメリットです。

NISAを始めよう!

 また、急を要するリフォームが必要になった場合は、リフォームに特化した専用ローンで費用を調達する方法もあります。中には住宅ローンとセットになったタイプのローンもありますが、リフォーム専用のローンとして借り入れが可能なタイプもあります。担保の有無や金利などの詳細については資料請求や問い合わせを行うとスムーズです。

 常陽銀行のリフォームローンでは、Webで毎月の返済額をシミュレーションすることも可能です。また、ローンを利用してリフォームした場所ごとの借入総額、適用金利、返済期間、返済月額が分かるリフォームの事例なども紹介しています。参考にしてみてください。

リフォームローンについてはこちら

(2020年7月21日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。

以 上

関連記事