外貨普通預金のメリットとは?始める際の注意点もご紹介

外貨普通預金のメリットとは?

 外貨普通預金は、資産運用の1つとして注目を集めています。しかし、「海外の通貨で貯蓄をしてどのようなメリットがあるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

 この記事では、外貨普通預金を行う5つのメリットを詳しく紹介します。さらに、外貨普通預金を始める際の注意点や、賢く預金するためのポイントも解説します。

外貨普通預金とは

 外貨普通預金とは、日本円を海外の通貨に換えて預金することを指します。預け入れしたお金には決められた利息がつき、いつでも引き出すことができます。基本的なシステムは、日本円での普通預金と同様です。金利は通貨の種類や預け入れる金融機関によって異なります。

 外貨預金には、普通預金だけでなく定期預金もあります。普通預金の場合は日本円の普通預金と同様、好きなときに預金・引き出しが可能です。

 対して定期預金は、まとまった資金を一定期間預けます。一般的に定期預金のほうが普通預金よりも金利が高くなります。

 ただし、原則として決められた期間内は引き出すことができません。

外貨普通預金を始めるメリット

外貨普通預金を始めるメリット

 では、外貨普通預金にはどういったメリットがあるのでしょうか。主なメリットを紹介します。

円の普通預金より高い金利に期待

 日本円の普通預金より金利が高い点は、外貨普通預金の最大のメリットの1つです。日本円の普通預金は長い間低金利状態が続いています。

 外貨普通預金では、一般的に日本円よりも金利が高いため、利息が期待できる場合があります。

円安による資産価値の低下リスクを軽減できる

 将来の円安に備えるために外貨普通預金を利用するのも1つの方法です。

 円安やインフレが進み、円の価値が減少すると今まで1,000円で10個買えていたものが、それより少ない数しか買えなくなってしまいます。

 日本円だけでなく、他の国の通貨ベースで預金をしておくことで、日本の経済力が低迷し、円の価値が減少したときのリスクヘッジにもなります。

相場の変動で為替差益が得られる

 為替差益(キャピタルゲイン)とは、為替相場の変動により生じる損益のことです。

 例えば、1ドル100円のときに米ドルを100万円分購入したとします。1ドルが110円になったタイミングで持っている米ドルを日本円に換えると、110万円が受け取れます。(為替手数料は考えない場合)

 ただし、為替レートが1ドル95円になった場合は、持っていた100万円分の米ドルは95万円の価値になってしまうことも知っておきましょう。

資産運用として

 外貨普通預金は、預けている金額に応じて利息を得ることができます。

 「いきなり投資始めるのは難しそうだけど、貯蓄以外の方法でも資産を管理したい」という人でも試しやすいでしょう。

外貨普通預金を始める前の注意点

外貨普通預金を始める前の注意点

 外貨普通預金にはさまざまなメリットがありますが、デメリットやリスクもあります。続いて、外貨普通預金を始める前に注意しておきたいポイントを紹介します。

 それぞれ詳しくみてみましょう。

円で引き出すときに元本割れの可能性

 預けた外貨を日本円で引き出す際、元本割れをして、引き出せる金額が少なくなってしまう可能性もあります。

 例えば、1ドル100円のときに預金し、その後95円に下がった場合は、1ドルあたり5円のマイナスとなります。さらに換金時には為替手数料もかかるので、1ドル101円になっても、為替手数料分のマイナスのほうが大きい場合もあります。

 このように為替レートの影響によって、預けた金額よりマイナスになる可能性もあります。

為替差損益で確定申告が必要になってくる

 外貨預金の為替差損益で利益を得た場合、利益が年間20万円以上ある場合には確定申告を行い、利益に応じた税金を納めます。

 会社に勤めている人でも、自身で確定申告が必要なので忘れずに申告しましょう。

 また、外貨預金によって為替差損が出た場合にも、確定申告で税金の控除が受けられる場合があります。

外貨普通預金はペイオフ制度の対象外

 外貨普通預金はペイオフ制度の対象とならないため気を付けましょう。ペイオフ制度とは、預金を行う金融機関の破綻に備える預金保険制度のことです。

 しかし、ペイオフ制度で保証されるのは日本円の預金です。外貨普通預金で保有していた外貨は保証されないため、万一に備えられない点はデメリットと言えるでしょう。

外貨普通預金を行う際のポイント

 外貨普通預金はさまざまなメリットが得られる反面、日本円での預金と比べて仕組みがやや複雑です。

 外貨預金を始めるにあたってのポイントをいくつか解説します。

複数の通貨で預金してリスクに備える

 外貨預金の金利や為替レートの変動は、通貨によって異なります。複数の通貨を所有するのも、リスクを分散させる手段の1つです。

 外貨の為替レートは、さまざまな要因で常に変動を続けています。経済成長が見込まれると予想されていた国でも、政治や災害の影響で混乱し、レートが大きく動く可能性もゼロではありません。

 値動きの違う通貨を複数持っておくことで、一方がマイナスになった場合でも、もう一方の利益でカバーできます。

口座への預金は時期をずらす

 外貨預金口座への預け入れは一度に行わず、時期をずらして小分けに預け入れするのもおススメです。時期をずらして預けることで、相場変動のリスクに備えられます。

 外貨の為替レートの予想はプロでも難しいです。長期間安定してきた国も、突然の災害や政治混乱によって価格が暴落する可能性があります。

 変動のリスクを軽減させるために、時期を分散させるのも大切です。

 このように、価格変動に備えて定期的に一定金額の投資を行う投資方法をドル・コスト平均法と言います。購入金額や時期を一定に保つことは、長期的な資産形成にも効果的です。

日常生活の余裕資金を貯蓄に充てる

 外貨預金口座に預け入れるのは、日常生活の余裕資金に限定するようにしましょう。

 預金と言っても、元本割れなどのリスクがないわけではありません。

 預けた資金が大きくマイナスになってしまうという最悪の場合も想定し、それでも生活に支障の出ない金額で始めることをおススメします。

外貨普通預金を始めるときの疑問点

 最後に、外貨普通預金を始めるにあたってよくある疑問点をみていきましょう。

為替手数料はいくらかかるのか?

 為替手数料は預け入れる金融機関によって異なりますが、基本的には預け入れや引き出しの都度、為替手数料がかかります。

 一例として、常陽銀行の常陽バンキングアプリで外貨普通預金の預け入れや引き出しをした場合にかかる為替手数料は以下の通りです。

通貨 預入時(円→外貨) 引き出し時(外貨→円)
米ドル 1ドルあたり0.5円 1ドルあたり0.5円
ユーロ 1ユーロあたり0.75円 1ユーロあたり0.75円
豪ドル 1豪ドルあたり0.5円 1豪ドルあたり0.5円

どの通貨での預金が良いのか?

 通貨選びに迷ったら、金利の高さや過去の値動きなどで選ぶことをおススメします。

 ただし、金利が高くても値動きの激しい国の通貨はリスクも大きくなります。

 一般的にドルやユーロなど取引量で大きい通貨であれば、取引の影響で急激に為替レートが変動することは少ないですが、取引量が少ない国の通貨は、社会情勢や国内政策の影響でレートが一気に動くこともあります。

 そのため、金利の高さだけでなく、その国の社会情勢なども参考に通貨の安定性も考慮すると良いでしょう。

常陽バンキングアプリを活用しよう

 常陽銀行で外貨普通預金をするなら、常陽バンキングアプリの利用がおススメです。

 常陽バンキングアプリとは、スマホで利用できる銀行取引アプリです。常陽銀行のキャッシュカードを登録すれば、窓口に行かずに残高照会や資金移動取引を行うことができます。口座の動きをスマホから参照することもできるので、資産の流れを把握するのにも便利です。

 外貨普通預金の口座開設も、常陽バンキングアプリから行うことができます。さらに、為替手数料は店頭取引よりも50%~75%割引されるため、おトクです。ぜひ活用してみてください。

常陽バンキングアプリについてはこちら

まとめ

 外貨普通預金は、日本円を指定した外貨に換えて預金するサービスです。一般的に円預金よりも金利が高く、為替差益が得られるなど資産運用として注目を集めています。

 しかし、円高や為替レートの変動によって損するリスクや、ペイオフ制度が対象外であることなど、注意点も多いです。外貨普通預金で利益を得るためには、長期的な見通しを持った運用が前提です。メリットだけでなく注意点も把握して、外貨普通預金で将来的なリスクに備え、資産形成を行いましょう。

(2022年12月26日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
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以 上

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