マンションの固定資産税はいくら?茨城県の目安と計算方法

マンション購入後は、住宅ローンに加えて「固定資産税」の納税が始まります。毎年かかる税金なので、金額が気になる方も多いのではないでしょうか。
固定資産税の税額は納税通知書で確定しますが、購入価格や立地、築年数から目安を把握できます。
本記事では、固定資産税の仕組みや計算方法、軽減措置を分かりやすく解説します。
茨城県の目安も紹介しますので、住宅ローンと併せた資金計画の参考にしてください。
目次
1.マンションの固定資産税とは
固定資産税は、マンションを所有している限り毎年納税が必要となる税金であり、住宅を維持するための費用の1つです。
まずは定義や仕組みなどの基本的な内容を確認しておきましょう。
固定資産税の基本定義
固定資産税は、固定資産を所有する人に市町村が課税する「地方税」です。毎年1月1日時点の所有者が納税義務者となり、購入翌年から納税が始まります。
中古マンションの場合は、引き渡し日を基準にその年度分を売主と買主で日割りまたは月割りにより精算するのが一般的です。
市街化区域内のマンションには「都市計画税」も課税されます。
都市基盤整備のための地方税で、固定資産税と同様に所有中は毎年納税が必要です。
これらの税額を知らせる「固定資産税・都市計画税納税通知書」は、茨城県内多くの市町村では例年4月中旬〜5月上旬にかけて発送されます。納付は年4回の分割納付が一般的で、納付書による支払いのほか、口座振替やスマートフォン(アプリ)決済なども可能です。最新情報は各市町村のウェブサイトを確認してください。
マンション特有の課税の仕組み
マンションの固定資産税は、「専有部分」と「共用部分」、および「土地の持分」をもとに計算されます。
■建物の固定資産税
建物全体の固定資産税額を計算し、それを各住戸の専有面積の割合(持分割合)に応じて按分し、それぞれの住戸の税額が決まります。共用部分も建物全体の評価額に含まれ、同様に按分されます。
■土地の固定資産税
マンションの土地は区分所有者全員での共有という扱いになっており、各住戸は専有面積に応じた「敷地権(敷地利用権)」を所有しています。土地の固定資産税は、マンションの土地全体の固定資産税額を算出し、それを敷地利用権に応じて按分して課税されます。
2.マンションの固定資産税の計算方法
マンションの固定資産税は、計算式からある程度の目安は把握することができます。
固定資産税の算出方法
マンションの固定資産税と都市計画税は、次の計算式によって算出されます。
- 固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 1.4%
- 都市計画税額 = 固定資産税評価額 × 最大0.3%(※水戸市は0.2%)
どちらも固定資産税評価額をもとに計算され、合計額が年間の納税額の目安です。
固定資産税評価額は土地と建物で算出方法が異なります。土地の場合は公示地価や路線価を基準に評価され、主に公示地価の70%が目安。一方、建物は再建築したときの費用(再建築価格)に築年数の経過による経年減点補正率などを反映して算出されます。
地価の変動や建物の経年変化に応じて、3年に1度「評価替え」が行われます。
出典)固定資産税(総務省)
出典)固定資産税・都市計画税について(水戸市)
マンションにおける固定資産税評価額の決まり方
固定資産税の基本的な仕組みは前章で説明したとおりですが、実際の固定資産税評価額はマンション特有の以下のような要素が影響します。
- 容積率や敷地の利用効率
- 建物の構造
- 階数や所在階
そのため同じマンション内であっても、専有面積や所在階などの条件によって固定資産税が異なる可能性があります。
例えば、高層階は眺望や日当たりなどの条件が評価されるため、低層階より評価額が高くなる傾向があります。
角部屋や専用庭付き住戸なども同様です。
3.マンションの固定資産税はいくら?茨城県の目安
固定資産税の計算方法は理解できても、「実際にはどのくらいの税額になるのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、茨城県のマンション購入価格の平均値をもとに、新築マンションを購入した場合の固定資産税額の目安を確認してみましょう。
新築マンションの固定資産税の目安
住宅金融支援機構が調査した「フラット35利用者調査」によると、2024年度における茨城県のマンションの平均購入価格は、5,091万円となっていました。
出典)フラット35利用者調査 2024年度集計表 マンション 第1表 地域別都道府県別主要指標(住宅金融支援機構)
ここでは、5,000万円の新築マンションを購入したと仮定して、固定資産税額の推移をシミュレーションします。
| 築年数 | 固定資産税額 |
|---|---|
| 1年 | 15.2万円 |
| 2年 | 14.9万円 |
| 3年 | 14.7万円 |
| 4年 | 14.5万円 |
| 5年 | 14.2万円 |
| 6年 | 25.5万円 |
※建物3,500万円、土地1,500万円、一般住宅と仮定
※非木造建物減価補正率(残価率)を参考に算出、住宅用地特例を適用
上記のシミュレーションで注目すべきは、6年目に税額が14.2万円から25.5万円へ、一気に11万円以上もアップしている点です。これは建物部分の軽減措置が終了するためです。「ローン返済が始まったばかりで家計が苦しい時期に、納税額が倍近くになる」というケースも少なくありません。新築マンションを検討中の方は、この「6年目の壁」を見越した貯蓄計画を立てておきましょう。
茨城県主要エリア(つくば・水戸等)の傾向
固定資産税額は「建物の価値」だけでなく「土地の価値(地価)」に大きく左右されます。
例えば、2024年度の住宅地の公示地価の平均は、つくば市や守谷市ではつくばエクスプレス沿線を中心に地価が上昇傾向にあります。地価が上がれば土地分の税額も維持、あるいは上昇するため、建物が古くなっても税額が下がりにくい傾向があります。
一方、水戸市やひたちなか市では住宅地の地価は比較的安定していますが、駅周辺の再開発エリアなどは評価額が高めに設定されることがあります。
マンションを購入する際は、土地の価値(地価)も固定資産税に影響することを理解しておきましょう。
出典)地価公示・地価調査(基準地価)茨城県(住宅地)平均金額の推移(地価マップ・地価ランキング)
4.マンションの固定資産税が下がる軽減措置
固定資産税は毎年納税が必要となるため、住宅取得者の負担を軽減するためにいくつか特例措置が設けられています。
新築住宅に係る税額の減額措置
新築マンションを購入したときには、要件を満たすことで建物部分の固定資産税が一定期間にわたって軽減されます。
| 固定資産税軽減率 | 適用期間 | |
|---|---|---|
| 一般住宅特例 | 1/2 | 5年間 |
| 長期優良住宅 | 7年間 |
主な要件は以下のとおりです。
- 居住用の家屋であること
- 床面積が40㎡以上240㎡以下であること
- 新築された住宅であること
要件を満たせば建物部分の固定資産税額が1/2に軽減されます。
一般住宅は自動適用されますが、長期優良住宅は入居翌年の1月31日までに市区町村への申告が必要です。申告しないと軽減措置が5年で終了するため注意しましょう。
住宅用地に対する課税標準の特例措置
マンションが建っている土地に対しても、特例措置が適用されます。
ここでは、水戸市の特例措置を例に見てみましょう。
| 対象面積 | 固定資産税の課税標準額 | 都市計画税の課税標準額 | |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 1/6 | 1/3 |
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 1/3 | 2/3 |
マンションの場合は敷地全体の面積を各住戸の専有面積に応じて持分割合で按分したうえで、特例措置が適用される仕組みです。
そのため1戸あたりの土地持分が小さくなり、多くの場合、各住戸の持分は「小規模住宅用地」として扱われます。
その他の軽減措置
中古マンションや所有しているマンションをリフォームしたときには、「リフォームに係る固定資産税の軽減措置(リフォーム促進減税)」が適用される可能性があります。
一定の要件を満たす改修工事を行うと、翌年度分の固定資産税が軽減されます。
主な対象工事と軽減内容は以下のとおりです。
| 対象工事 | 軽減内容 |
|---|---|
| 耐震改修工事 | 1/2 |
| バリアフリー改修工事 | 2/3 |
| 省エネ改修工事 | 2/3 |
| 長期優良住宅化改修工事 | 1/3 |
出典)リフォーム促進税制【所得税・固定資産税】について (消費者のみなさまへ)(国土交通省)
軽減措置は原則として翌年のみですが、条件によっては期間が延長される場合があります。
詳細は国土交通省の制度概要をご確認ください。
5.要注意!固定資産税が「上がる」3つのケース
建物部分の固定資産税は経年とともに下がっていくイメージがありますが、条件によっては上がってしまうケースもあります。
新築軽減措置の期間終了
新築マンションでは、建物部分の固定資産税が軽減される特例措置が適用されますが、期間は一般住宅で5年間、長期優良住宅で7年間と限られています。
適用期間終了後は本来の税額に戻るため、固定資産税額が増加します。
実際に「新築マンションの固定資産税の目安」で挙げた例でも、適用期間の終了後には負担額が年間約11万円も増加していました。
新築時は税負担が抑えられていても、軽減措置終了後には税額が変わるため、住宅ローン返済と併せて長期的な資金計画を立てることが重要です。
地価の上昇による評価額の増加
固定資産税評価額は3年ごとに見直されるため、その間に地価が上昇すると、評価額が上がることで固定資産税額も高くなる可能性があります。
再開発エリアや鉄道延伸予定地などは地価が上昇しやすく、固定資産税が高くなる可能性があります。
高さ60mを超えるタワーマンションにおける階層別補正の仕組み
高さ60mを超えるタワーマンションでは、建物の固定資産税評価額が階層に応じて補正される「階層別補正率」が適用されます。これは階層による資産価値の差を反映するための制度です。そのため、タワーマンションでは高層階ほど評価額が高くなり、固定資産税も高くなる傾向があります。
6.マンション購入前に考えたい「総住居費」
固定資産税は、住宅ローンの返済や管理費などと併せて継続的にかかります。
とくに新築住宅に係る軽減措置の終了後は税負担が大きく増えるため、住宅の資金計画は軽減措置終了後の税額も含めて考えることが重要です。
管理費などと同様に月額換算して「毎月かかる費用」として把握すると、実際の負担を正確に理解できます。「購入予定のマンションなら、固定資産税がどのくらいかかるのか」「自分たちの収入と支出なら、どのくらいの返済額が現実的なのか」などを知りたいときには、金融機関の住宅ローン窓口での相談が安心です。常陽銀行では、ご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
店舗相談を予約する7.マンションの固定資産税でよくある質問
最後に、マンションの固定資産税でよくある質問にお答えします。
Q
固定資産税はいつまで支払う?
Q
固定資産税を滞納するとどうなる?
Q
中古マンションの場合、固定資産税はどう引き継ぐ?
8.まとめ
固定資産税および都市計画税は、マンション所有中は毎年納税が必要です。税額は立地や購入価格、築年数で異なりますが、住宅ローンや管理費と併せて継続的に発生する費用として、事前に目安を把握しましょう。
また、新築住宅に係る固定資産税の軽減措置の終了後は建物部分の税額が本来の水準に戻るため、その部分も含めた資金計画を立てることが重要です。
常陽銀行では、住宅ローンのご相談だけでなく、固定資産税などの費用も含めた資金計画についてご相談いただけます。
茨城県内の不動産事情に精通した担当者がサポートいたしますので、マンションの購入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。
以 上