出産準備にかかる費用とは?もらえるお金や自己負担額についても解説

出産準備にかかる費用とは?

出産費用の全国平均はおよそ50万円

入院料 112,726円
室料差額 16,580円
分娩料 254,180円
新生児管理保育料 50,621円
検査・薬剤料 13,124円
処置・手当料 14,563円
産科医療補償制度 15,881円
その他 28,085円
合計 505,760円
  • 正常分娩の場合の平均値

 出産にはお金がかかると言われています。その理由は、基本的に妊娠・出産にかかる費用は健康保険の適用外となるからです。そのため、出産を考えている人や出産予定がある人は、出産費用がどのくらいになるのか分からず不安を覚えることも多いようです。

 公益社団法人国民健康保険中央会が集計したデータによれば、出産費用の全国平均はおよそ50万円。しかし、ひと言で出産といってもお産は人それぞれ違うため、実際には大きく異なることもあります。また、助成金や給付金などの各種制度を利用することにより、出産時にかかる自己負担額を軽減することが可能です。

 この記事では、出産時に必要となる費用の内訳や、出産費用の負担を軽減してくれる補助制度、自己負担額の目安や経済的負担を減らす節約の方法について解説します。

出産に必要な費用とは?

出産に必要な費用とは?

 妊娠が分かってから出産するまで、実際に子どもを産むとき、そして子どもを産んだ後と、出産の前後には多くの費用が発生します。そのほとんどは自己負担となるため、妊娠から出産直後は特に出費が多いと感じるかもしれません。まずは、出産に必要な費用を見ていきましょう。大きく分けると下記の3つです。

妊婦健診費用

 妊婦健診(妊婦健康診査)とは、妊娠が分かってから出産するまでの間、無事に出産ができるよう定期的に行われる妊婦の健康診断です。厚生労働省により妊婦健診は14回程度と定められています。

 妊婦健診の費用は健康保険が適用されず、全額自己負担となり、病院によってもこれらの費用は異なります。一般的に、基本検査の場合は5,000円前後、特別な検査がある場合は1、2万円程度の費用がかかります。ただし、保険適用となる病気や症状が出たときなどは、その治療や検査に関わる費用は保険扱いとなります。

 妊婦健診では、自治体の助成制度を利用することで費用を軽減することができます。助成制度については次の章で解説します。

分娩費用と入院費用

 分娩費用は実際に出産するときにかかる費用、入院費用は出産前後に病院に入院するときにかかる費用です。「新生児管理保育料」「検査・薬剤料」「処置・手当料」なども含み、出産と入院にかかるトータルコストとなります。

 分娩費の全国平均は約25万円ですが、出産方法は大きく分けて自然分娩、帝王切開、無痛分娩の3つがあり、出産する方法によっても出産費用は大きく変わります。出産をするときは国から支給される「出産育児一時金」を利用することで、自己負担額を大きく軽減することができます。

 また、入院費の全国平均は約11万円となっていますが、こちらも出産方法同様、病院や選ぶ部屋などにより変わります。

マタニティ・ベビー用品代

 出産にかかる費用で意外と忘れがちなのが、マタニティやベビー用品にかかる費用です。

 妊娠後は体型が変化するので、特にお腹周りサイズに合わせて都度マタニティ用のウェアやショーツなどを用意する必要があります。また、出産間近になったら入院時の衣類の用意が必要ですし、生まれてくる赤ちゃんのベビー用品も準備しておかなくてはなりません。出産となると病院の費用に意識が向きがちですが、これらの費用は意外とかさむため、事前にある程度計算しておくと安心です。

 マタニティ用品は、その時々の体型に合うマタニティウェアや下着が必需品。必要であれば、妊娠線対策のクリームや骨盤ベルトなども揃えておきましょう。出産準備には入院時に必要な生活用品のほか、母乳パッド、産褥(さんじょく)ショーツなどを用意します。また、出産後の体調なども考慮して、ベビーウェアやおむつ、哺乳瓶、赤ちゃん用の寝具、ベビーバス、抱っこひもなども準備しておくと出産後が楽になります。

出産時や出産後の費用負担を助ける制度

出産時や出産後の費用負担を助ける制度

 妊娠中や出産にかかる費用は健康保険適用外の診療となるため、高額な費用が自己負担となります。しかし、公的機関によって出産での費用負担を軽減する様々な制度が設けられており、それらをうまく利用することで、出産時にかかる出費を大幅に減らすことができます。

妊婦健診などの助成

受け取り条件 もらえる金額
  • 妊婦健診14回分まで
自治体により異なる

 出産までの妊婦健診は自費診療となっていますが、多くの地域で妊婦健診の一部を助成する制度を実施しています。助成されるのは、厚生労働省により定められている14回程度の健診です。

 妊娠が確定した後に役所に妊娠届を提出すると、自治体から母子手帳と一緒に妊婦健診の補助券や受診票が配布されます。母子手帳交付後の妊婦健診では、この補助券や受診票によって費用の一部が軽減されます。自治体により助成金額や助成内容は異なりますが、大体数万円が自己負担となるケースが多いようです。

出産育児一時金

受け取り条件 もらえる金額
  • 国民健康保険、健康保険に加入している方
  • 妊娠85日以上(妊娠4カ月以上)で出産している方
一律42万円
(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は40.4万円)

 「出産育児一時金」は、健康保険の給付制度です。出産は病気や怪我ではないため、健康保険に加入していても保険が適用されず、全額自己負担となりますが、出産費用については健康保険から分娩費の補助として給付金が出る仕組みとなっています。

 協会けんぽヘ出産の申請をすると、1人の赤ちゃんにつき国から出産育児一時金として42万円が支給されます(産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合は40.4万円)。双子や三つ子などの場合も人数分が支給されることになっています。

 また、出産育児一時金の支給を直接受けることができる「出産育児一時金の直接支払制度」もあります。直接支払制度は出産育児一時金の金額を上限として、出産費用の請求を医療機関等が健康保険組合に直接行ってくれる制度です。

出産手当金

受け取り条件 もらえる金額
  • 会社で働いており、1年以上健康保険に加入している
  • 出産のため会社を休み、事業主から報酬が受けられない、もしくはその支給額が出産手当金より少ない
月給日額の3分の2相当額
支給期間:出産日以前42日(6週間)~出産日後56日(8週間)

 「出産手当金」とは、出産のために会社を休み、給与の支払いが受けられない、(もしくは支給額が出産手当金より小さい)場合に健康保険から支給される手当金のことを言います。1日あたりの給付額は、被保険者期間が1年以上か1年未満かで異なります。

 支給対象となるのは、出産日以前42日(双子以上の多胎であれば出産日以前98日)~出産の翌日以後56日までの範囲に会社を休んだ健康保険加入者です。この期間内に会社を休んだ日数分が支給対象となります。出産予定日より出産が遅れた場合でも、その期間は出産手当金が支給される対象期間となっています。

育児休業給付金

受け取り条件 もらえる金額
  • 雇用保険に加入しており、育児休業前の2年間のうち、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある
  • 育児休業中、事業主から月給の8割以上の報酬を貰っていない
  • 就業日数が対象期間中に毎月10日以下
育児休暇開始~180日目:月給の67%
育児休業開始~181日目以降:月給の50%

 育休(育児休業)は、会社員が子育てのために法律上取得できる休業期間のことで、「育児休業給付金」とは、育休中に申請することでもらえる給付金のことです。育休中は仕事ができず、無給となるケースが多いため、国がお金を給付することで生活を保障する制度です。育児休業給付金を受け取ることができるのは育児休業前の2年間のうち、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある雇用保険加入者で、会社から月給の8割以上の給与をもらっていないことが条件となります。

乳幼児医療費助成制度

受け取り条件 もらえる金額
  • 各種医療保険に加入している乳幼児
自治体により異なる

 乳幼児医療費助成制度とは、各地方公共団体が乳幼児の入院や通院にかかる自己負担金を助成する制度です。各種医療保険に加入している小学校入学前の子どもに適用され、「マル乳」とも言われています。自治体によって金額は異なり、全額もしくは一部が助成されます。助成を受けるには、市区町村に申請し、医療証の交付を受ける必要があります。

児童手当制度

受け取り条件 もらえる金額
  • 0歳から中学校卒業(15歳に到達後、最初の3月31日)までの児童を養育している方
0歳~3歳未満:15,000円
3歳~小学校修了前の第1子・第2子:10,000円/第3子以降:15,000円
中学生:10,000円

 児童手当制度は、中学校卒業までの児童を養育している家庭に支給される手当です。児童の年齢や子どもの人数により手当の金額は変わり、養育者の収入が規定の所得制限限度額を超える場合は、特例給付(児童1人当たり月額一律5,000円)の支給となります。

 基本、毎年6月、10月、2月に前月分までの手当が支給されます。受給には申請が必要なので、子どもが生まれたり引越しで住む地域が変わったときは、現住所の市区町村に「認定請求書」を提出して申請しましょう。認定を受ければ、申請月の翌月分の手当から受け取ることができるようになります。

出産費用はいくら準備すべき?自己負担額は?

 出産費用の総額は平均50万程度と言われています。かかる費用には個人差がありますが、出産費用は助成制度や手当などの保障が手厚いので、出産育児一時金や出産手当金などを利用することで費用負担を軽減することができます。自己負担額としては、10万円から50万円程度を準備しておくと良いでしょう。

 ただし、出産育児一時金などの助成金は、申請してもすぐには受け取れないことがあります。その場合は自費での支払いが生じるため、立替金としてある程度の貯えは必要です。

 例外として、例えば「出産育児一時金の直接支払制度」を利用した場合は、出産費用の請求を医療機関等が健康保険組合に直接行ってくれるため、医療機関等の窓口で支払う出産費用は出産育児一時金の金額を超過した分のみとなります。この場合、出産後に健康保険組合に出産育児一時金の申請をする必要はなく、出産費用が出産育児一時金より少ないときだけ、その差額を受け取るために申請が必要となります。

出産時期のお金の負担を減らす方法

出産時期のお金の負担を減らす方法

 妊娠から出産まで、そして出産前後は特に出費が多くなります。子どもが生まれた後も継続的にお金がかかるため、削れる支出は削り、少しでも出費を減らしておきたいところです。ここでは、出産にかかるお金の負担を減らす方法について紹介します。

出産する場所によって費用が変わるため事前に確認する

 産婦人科によって、分娩費用や入院時の個室の費用などは違います。一般的に、最初に妊婦健診を受けたところでそのまま出産するケースがほとんどです。病院選びは通いやすさなどの立地や出産に関する方針なども重要ですが、収入に見合わない高額なところは経済的負担が大きくなるのでおススメできません。

 始めに、受診しようと思っている病院の出産費用を調べたり、友人や先輩妊婦に費用感を聞いておくと良いでしょう。

確定申告で医療費控除を忘れずに行う

 医療費控除は1年間に支払った医療費が一定額を超えたとき、確定申告をすることで、支払った医療費の一部が還付金として戻ってくる制度です。妊娠・出産も医療費控除の対象となる費用があり、妊婦健診費や出産前後の入院費、分娩費、病院に通院するための交通費などを申請することが可能です。確定申告の時期になったら、医療費控除は忘れずに行いましょう。

レンタル品やお下がりを活用する

 意外とお金がかかるのがベビー用品です。特に1人目の場合は何をどのくらい用意すれば良いのか分からず、必要のないものまで買い過ぎてしまう、なんてこともあるかもしれません。また、子どもの成長は早いので、すぐに必要がなくなるものも多くあります。衣類などは、あまり着ないうちにサイズが合わなくなるのはよくあることです。ある程度長期で使うものは購入し、期間限定で必要なものはレンタルを利用することを検討しても良いと思います。ベビー服も、周りに近い年齢の子どもがいるようであれば、お下がりを譲ってもらうと節約になります。

計画的に出産費用を貯蓄して備えよう

 妊娠・出産にかかる費用は保険が適用されないため、出産前後は特に高額な出費が続きます。各種手当金を上手に活用することで、自己負担額をある程度軽減することは可能ですが、それぞれ手続きが必要となり、お金を受け取るまでに時間がかかるものも多くあります。そのため、一時的な立替金も含め、計画的に費用を貯蓄して、出産に備えておくことが大切です

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(2020年8月20日)

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以 上

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