住宅ローンを借り換えるタイミングとは?注意点と借り換えの目安について

住宅ローンを借り換えるタイミングとは?

住宅ローンを借り換えるべき?タイミングは?

住宅ローンの借り換えを検討する基準

 マイホームの購入時に多くの方が利用している住宅ローン。借入額が大きく、最長50年の長期返済となり、金利の変動が返済額に影響することもあるため、定期的にローンの内容を見直すことが大切です。低金利が続く昨今はよりおトクな住宅ローンへと借り換えをする方も増えています。

 住宅ローンの借り換えをする判断基準としては、上記3つが目安となります。現在の金利水準が契約中の住宅ローンより低いなど金利に問題がある場合や、月々の返済額が負担になっている場合など、上記に該当しているようであれば、別の住宅ローンへの借り換えを検討したほうが良いでしょう。

 ただし、住宅ローンの借り換えには適切なタイミングがあります。この記事では住宅ローンを借り換える必要性を理解したうえで、借り換えのタイミングや借り換え時の注意点などを解説します。

借り換えシミュレーションをしてみよう

 まずは実際に借り換えのシミュレーションをしてみましょう。最近では多くの金融機関が住宅ローンの試算用のツールを提供しています。これらのツールを使用すれば、自分で難しい計算をしなくても、借り換え後の総返済額や月々の支払い額の目安が算出できます。

 常陽銀行の「住宅ローン お借り換えシミュレーション」でも、借り換え時の具体的な金額が試算できます。入力必須項目は「現在のローン残高」「残りの借り入れ期間」「現在の借り入れ利率」「毎月の返済額」「今後の希望金利プラン」の5項目。それだけで、借り換え後の「月々の返済額」「ボーナス月の返済額」「年間返済額」「総返済額」のほか、現在と借り換え後の支払額の差額や、借り換えにかかる諸費用の合計、諸費用合計を含めた最終的な軽減額(いくら安くなるか)を確認できます。

 現在の金利水準が借り入れしている住宅ローンの金利より低い場合や、月々の返済額の負担が大きいと感じている場合は、一度、借り換えた場合の試算をして、今の住宅ローンと比較してみることをおススメします。

お借り換えシミュレーション
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住宅ローンを借り換えるメリット

住宅ローンを借り換えるメリット
  • 低金利の住宅ローンに変更でき、総返済額が軽減する
  • 固定金利、変動金利の選択が可能
  • 金融機関の特典を受けられる
  • 現在のライフプランに合わせて、月々の返済額や返済年数を変更できる

 ここでは、住宅ローンを借り換えるメリットについて解説します。住宅ローンの借り換えは、現在借り入れている住宅ローンをより低い金利のローンへ変更するなど、今より条件の良い住宅ローンへ借り入れし直すことをいいます。好条件のローンに借り換えることで、月々の返済額や総返済額を減らすことが目的です。そのため、一番のメリットはやはり返済額の減額です。

 また、新たにローンを組み直すことで、金利タイプや月々の返済額、返済年数を現在のライフプランに合わせて変更することができます。キャンペーンが実施されていれば、条件を満たすことで特典を受けることもできます。

住宅ローンを借り換えるデメリット

住宅ローンを借り換えるデメリット
  • 経済状況により、借り換え前よりも総返済額が増加する可能性がある
  • 借り換え手数料がかかる
  • 借り換え前の住宅ローンの繰上返済手数料がかかる

 住宅ローンの借り換えは主にローンの減額が目的なので、メリットしかないようにも思えますが、当然デメリットもあります。まず、未来の経済情勢や金利相場は予測ができないので、借り換え前よりも返済額が増える可能性があることです。

 さらに借り換えの際には、契約書貼付印紙税、事務手数料、保証料、抵当権設定費用などの諸費用や、借り換え前の住宅ローンを一括返済する際の繰上返済手数料、抵当権抹消費用などがかかります。返済額が減ったとしても、借り換えをすることで減額以上に費用がかさむことも考えられます。

住宅ローンの借り換えのタイミング

住宅ローン借り換えのタイミング

 一般的に、住宅ローンを組んだときの金利から一定以上の利率が下がっていたら、ローンを借り換えるメリットがあると言われています。ただし、金利差だけを見て借り換えを決めてしまうのは早計です。借り換えのタイミングには金利以外にも抑えておくポイントがあり、具体的には上記5項目が借り換えを検討する目安となります。

 「更新で金利が高くなったとき」「好条件の金融機関が見つかったとき」「ローンの返済期間が残り10年以上、残高1,000万円以上のとき」は、一度試算をして、実際にメリットがあるかを見てみると良いでしょう。また、住宅ローンの借り換えを検討中であれば、転職後や減収後は住宅ローンの審査に通りづらくなり、借り換えできない可能性があるので、ライフプランに合わせて借り換えの計画を立てておく必要があります。

更新で金利が高くなったとき

 住宅ローンには金利を見直すタイミングがあります。見直しのタイミングは金利タイプや契約内容によって異なりますが、その際に金利が今までよりも高くなっていたら借り換えを検討しましょう。他の住宅ローンに借り換えた方が低金利で借り入れができ、結果的に総支払額も軽減する可能性があります。ローンを借り換えて減額が見込める金利差の目安は1%以上です。

 また、当初固定金利の優遇期間やキャンペーンなどの適用が終わる時も利率が変わるので、金利を見直すタイミングと言えます。

好条件の金融機関が見つかったとき

 住宅ローンの契約時から年数が経つと、経済情勢など状況も変わっているので、現在契約中のローンと比べ、さらに好条件の住宅ローンが出てくることがあります。契約当時は納得のいく内容であっても、借り換えの試算をして比較してみると、金利や総返済額に思った以上の差額が出る可能性もあります。また、キャンペーンなどを利用することで、よりおトクなローンを組めるかもしれません。契約中の住宅ローンよりも良い条件で借り換えができる金融機関が見つかったときは、借り換えを検討しても良いでしょう。

収入が下がる前

 借り換えをすることは決めたものの、中には今以上の低金利を狙い、さらに利率が下がるのを待つ方もいます。けれどもこのご時世、いつ金利が下がるかは分かりませんし、不景気になれば、収入の方が先に下がってしまうかもしれません。

 住宅ローンの借り換えには新たに審査を受ける必要があり、審査項目の中でも年収は支払い能力があるかを判断する重要な項目です。金融機関によって審査基準は様々ですが、年収が下がってしまうと審査に通らない可能性もあります。借り換えを検討しているなら早めに手続きをしましょう。

 また、カードや自動車ローンなど、住宅ローン以外での借り入れが増えている場合も審査に通りづらくなる可能性があります。

転職する前

 収入や年収同様、勤続年数も住宅ローンの審査をするうえで重要な項目となります。勤続年数は信用に直結するため、金融機関の審査基準によっては年収が上がっていても、勤続年数が短いことで審査に通りづらくなる可能性もあります。特に、ローンの借り換えの場合は借り換え前の審査のときよりも審査基準が厳しいと言われています。審査の申し込み自体は勤続年数が1年未満でも可能ですが、審査は通りづらい傾向にあるようです。

ローン期間残り10年以上、残高1,000万円以上のとき

 住宅ローンの借り換えは、いくら低金利になったとしても、実際に支払いの負担が減るなどのメリットがなければする必要性がありません。借り換えの目安として一番分かりやすいのは金利ですが、借り換えにはローンの残高や返済期間も関係します。

 借り換えをして返済額が軽減するなどメリットがあるのは、ローンの返済期間が残り10年以上、ローンの残高が1,000万円以上あり、契約中のローンより金利が1%以上低い場合と言われています。金利が変動しないと仮定した場合の概算では、借り換えのタイミングが1年遅れるとそれだけ借り換えのメリットも減少するので、ある程度ローン残高や返済期間が残っていた方が借り換えのメリットは大きくなるケースが多いです。

ローン期間10年、残高1,000万円のときの借り換え例
項目 返済額(毎月) 総返済額
金利:2% 92,013円 1,105万
金利:1% 87,604円 1,052万

 上記は金利2%から1%の住宅ローンに借り換えをしたケースです。金利が1%下がると毎月の返済額は4,409円軽減し、年間では52,908円、10年間では約53万円の減額となります。借り換えには手数料など諸費用がかかるため、借り換えにかかる手数料を20万円と仮定した場合、総返済額は約1,072万円となり、借り換え前と比較すると約33万円が減額されることになります。

住宅ローンを借り換える際の注意点

注意点

 最後に、住宅ローンを借り換える際の注意点を解説します。住宅ローンの借り換えには、まず始めに借り換えをしたい金融機関へ審査の申し込みが必要です。その後、無事に審査に通ったら、多くの場合、新たに団体信用生命保険に加入する必要があります。以前の審査では問題なく審査に通っていても、今回も必ず審査に通るとは限らないので注意しましょう。

 また、借り換えによって発生する諸費用の総額によっては、借り換える意味がない場合や、住宅ローンの変更前よりも返済額が増えてしまうということも考えられます。諸費用も総返済額に加算して考えることを忘れないようにしましょう。

再度審査が必要になる

 住宅ローンの借り換えでは、新たな金融機関から借り入れたお金で契約中の住宅ローンの残額を一括返済し、それから新たにローンを組み直します。そのため、借り換えをする金融機関でもう一度審査を受け、審査に通る必要があります。基本は最初の審査と同じ流れですが、過去に返済が滞った時期があったり、収入が減った場合、転職直後で勤続年数が少ない場合は審査に通らない可能性もあるので注意しましょう。

新たに団体信用生命保険に加入する必要がある

 住宅ローンの借り入れをした場合、「団体信用生命保険」にも再加入することになります。多くの金融機関がローン契約の条件として団体信用生命保険への加入を義務づけているので、病気などで健康状態に不安があると保険に加入できず、結果、住宅ローンの借り換えもできなくなってしまうことがあります。

手数料込みで月々の支払いを試算する

借り換え時にかかる主な諸費用
契約書貼付印紙税
  • 借入額1,000万円超5,000万円以下の場合は、2万円
  • 借入額5,000万円超1億円以下の場合は、6万円
事務手数料
  • 通常は3万円程度
  • 金融機関によっては借入額の数%という場合もあり
保証料
  • 借入金額、返済年数によって変動
  • 金融機関によっては保証料0円という場合もあり
抵当権設定費用
  • 借入額の0.4%の登録免許税と登記にあたっての司法書士報酬

 住宅ローンの借り換え手続きの前に必ず確認しておきたいのが、借り換えにかかる諸費用の総額です。借り換えには融資手数料や登録手数料など様々な費用がかかり、合計すると思った以上に高額となることもあります。月々の支払額が借り換え前より軽減していても、総額として見たときに、諸費用を足したら以前よりも支払う金額が増えてしまうケースもあります。住宅ローンの借り換えを決める前に、手続きにかかる諸費用も含めた試算を行い、メリットがあるかを必ず確認しましょう。そのうえで、借り換えを希望する金融機関でも実際の諸費用の総額を確認しておくと安心です。

住宅ローンを借り換えるタイミングを見極めよう

 住宅ローンの返済は長期にわたるため、返済額には金利が大きく影響します。ローンの返済が家計を圧迫していないか、金利は適切か、高金利が設定されていないかなど、定期的にローンの内容を見直すことが大切です。他の住宅ローンと比較して、もし今よりも条件の良いローンがあれば、借り換えも検討しましょう。その際、金利や契約内容、借り換えにかかる諸費用などを詳細まで確認し、実際にシミュレーションをしたうえで、総返済額が減額できるようであれば、借り換えをした方が良いという判断になります。また、住宅ローンの借り換えにはタイミングも重要です。適切なタイミングでローンの借り換えを行い、より金銭的負担の少ない方法で住宅ローンを完済しましょう。

 常陽銀行での住宅ローンの借り換えは最短2週間で完了します。金利引き下げのアドバイスのほか、一部手数料や団信保険料が無料になるなど金利以外の諸費用でのサポートや、おトクな特典もご用意しています。また、ネット申し込み専用住宅ローンの期間限定キャンペーンも実施中です。詳細は下記をご覧ください。

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(2022年11月25日)

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以 上

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