車検切れに気付いたら仮ナンバー取得や中古売却で解決!罰則はある?

車検切れに気付いたら仮ナンバー取得や中古売却で解決!

そもそも車検の有効期限は?

 車検(自動車検査登録制度)は、所有している車が安全基準を満たしているかどうかを確認するため、定期的に車の検査を行う制度のことです。「継続検査」とも言われています。車検には有効期限があり、自家用車(普通自動車、軽自動車、小型自動二輪車)の車検は新車登録から初回の検査が3年で、それ以降は2年ごとになります。中古車の場合も同様に、定期的に所定の検査を受ける必要があります。

 車検の有効期間が満了となる日については、車検証か、フロントガラスに貼ることが義務付けられているステッカー(車検標章)で確認することができます。車検は有効期限の1カ月前から受けることができ、有効期限が切れてしまい、車検切れとなった車を運転すると、違法行為となります。また、車検が切れているということは、同時に自賠責保険も切れ、保険未加入となっていることがほとんどです。

 この記事では、車検切れや自賠責保険未加入の車を運転したときの罰則や、車検切れとなった車の対処法などを紹介します。

車検切れや自賠責保険未加入の状態で運転したときの罰則

 車検切れの車は、所有しているだけでは罪に問われることはありません。注意したいのは、車検が切れていることに気付かず、その車を公道で運転してしまうことです。

 車検が切れた車を公道で走らせたり駐車しておくことは違法行為です。また、車検が切れているということは、自賠責保険も切れ、無保険の状態の可能性が高いということになります。そのような状態で車を運転することも違法行為にあたり、厳しいペナルティを受けることになります。何より、様々な危険が伴います。

 ここでは、どのような罰則・罰金が科されるのかを解説していきます。

車検切れのまま公道を走らせた場合

無車検運行によるペナルティ
  • 違反点数6点
  • 30日間の免許停止
  • 6カ月以下の懲役または30万以下の罰金

 車検切れの車を公道で運転すると、違法行為を行ったとして法によって定められた上表の罰則を受けることになります。道路運送車両法の違反は「違反点数6点・前歴に関わらず30日間の免許停止」の行政処分です。行政処分後(免停明け・違反者講習受講後)は点数が0点に戻りますが、前歴がつきます。前歴とは、犯罪を犯した被疑者として警察の捜査対象となった事実が残ることで、過去の前歴により行政処分はさらに厳しくなっていきます。

自賠責保険に未加入のまま公道を走らせた場合

無保険運行によるペナルティ
  • 違反点数6点
  • 30日間の免許停止
  • 1年以下の懲役または50万円以下の罰金

 車検が切れた時には、車検時に加入する自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)も切れ、未加入の状態になっているケースがほとんどです。

 自賠責保険は、運転中の事故などによって被害を受けた人の救済を目的とした損害保険です。自動車損害賠償保障法によって車の所有者に加入が義務付けられているため、「強制保険」とも言われています。自賠責保険に未加入の車で公道を走行すると、上記の行政処分と刑事処分が適用され罰則が科されることになります。

無車検運行および無保険運行の罰則

無車検運行および無保険運行によるペナルティ
  • 違反点数6点
  • 90日間の免許停止
  • 1年6カ月以下の懲役または80万円以下の罰金

 車検が切れた車を運転する場合、自賠責保険も切れているケースが多いため、多くは「無車検運行」と「無保険運行」の両方が違反となり、上記の罰則が科されることになります。車検切れと自賠責保険切れの刑事処分の罰則は合算されるため、最大で1年半以下の懲役または80万円以下の罰金が科される可能性があります。

 行政処分については合算されることはなく、道路交通法により、より高い点数の方が適用されるというルールがあるため、違反点数は6点のままとなります。

 車検は、車の安全上の問題に加え、事故の被害者への補償を担保するうえでも非常に重要で、車検切れの車を運転してしまうと危険が伴うだけでなく厳しいペナルティも課されます。車検が切れ、自賠責保険に未加入の車を運転することがないよう、十分に注意してください。

車検切れの車で事故を起こした場合

 車検切れの車で公道を走るだけでも、道路運送車両法違反となり、行政、刑事処分が科されます。さらに交通事故を起こし、交通違反まで犯してしまうと、道路交通法違反による処分も加わります。特に人身事故の場合は被害者のケガ、加害者の過失責任の程度によって処分はさらに重くなります。

 自動車保険(任意保険)に加入していたとしても、約款に「無車検の場合は適応外」という規定があることもあり、その場合は自動車保険を使うことができず、経済的な負担を背負うことにもなりかねません。車検切れのまま公道を走らないよう、車検は早めに受けましょう。

車検切れの車で公道を走ると見つかってしまう理由

車検切れの車で公道を走ると見つかってしまう理由

 車検切れの車で公道を走ると法に触れることは前述のとおりですが、「車検切れの車で公道を走っても見つからないのではないか?」と考える人もいるかもしれません。しかし実際には、車が車検切れしているかどうかを簡単に判別する方法があるため、公道を走ったり駐車したりすれば検挙される可能性が高いと言えます。なぜ車検切れの車だと分かるのか、ここではその理由を解説していきます。

車検の有効期限ステッカー(検査標章)

 誰にでも車検の有効期限が分かるのが、車のフロントガラスに貼ってある、車検の有効期限を示すステッカー(車検標章)です。車検が切れた車には過去の年月が記載されているため、このステッカーを見ればひと目で分かります。また、ステッカーの色は一定期間で変わっているため、場合によっては色の違いで違反している車かどうかを判断することもできます。

ナンバー自動読取装置の設置

 「ナンバー自動読取装置(Nシステム)」は、走行中の自動車のナンバープレートを自動的に読み取り、手配車両のナンバーと照合するシステムです。2014~2016年度の3年間、国土交通省がナンバー自動読取装置によって行った「無車検運行車両の実態調査」によれば、読取車両全体の0.27%程度、約20万台が車検切れで公道を走っていると推定されました。そこで2018年度から「ナンバー自動読み取り機」を用いて違反車両を特定するシステムの運用を全国の街頭検査で開始しています。車検のデータと照合すれば、違反車両かどうか一瞬で判断できるというわけです。

無車検車・無保険等車通報窓口の設置

 以前から無車検となっている車両の所有者に注意喚起を促すなど対策を講じていた国土交通省は、無車検車・無保険車対策の一環として、「無車検車・無保険等車通報窓口」も設置しています。車のフロントガラスの車検証を見れば誰でも車検が切れた車を見分けることができるため、市民からも情報を得ることで、無車検車、無保険車対策を進めています。

車検切れの車の対処法

車検切れの車の対処法

 それでは実際に車検の有効期限が切れてしまい、所有している車が無車検車になってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。車検が切れてしまった車は乗用車として乗ることができないため、何らかの対処をしなければなりません。ここでは、車検切れの車の対処法について解説します。

廃車もしくは中古売却をする

 車の車検が切れていたことに気付いた場合、今後、その車に乗る予定がないようであれば、廃車にするか売却するかで対処しましょう。車検が切れた車は免税対象にはならないため、所有し続ければその分自動車税の納税義務が発生します。一部の地域では「自動車税課税保留制度」によって、車検が切れた車に対して納付書の通知が止まるケースがありますが、課税対象車であることに変わりはないので、無駄な出費を増やさないためにも早めの手続きが必要です。

仮ナンバーを取得する

 日常的に使用している車の車検切れに気付いた場合は、すぐに運転を中止します。そして今後も今までと同じように車を使用するのであれば、自賠責保険をかけ、仮ナンバーを取得して、車を車検に出しましょう。

 「仮ナンバー(自動車臨時運行許可番号標)」は、車検切れの車が車検を受けるためなどの理由で公道を走らなければならないときに、市区町村などから臨時に貸し出される仮のナンバープレートです。数字の上に赤の太い斜線が引かれ、自治体名が入っています。運行経路が含まれる市区町村に仮ナンバーの使用日もしくは前日に申請すると、道路運送車両法第35条に定められた条件下のもと、仮ナンバーをつけた状態で一時的に運行許可が与えられます。仮ナンバー取得にかかる手数料は1,000円もしないため、できれば無駄な出費はしたくない、という方におススメの方法です。

引き取りサービスを利用する

 仮ナンバーの取得のほかにも、レッカー車を手配して車検を受ける業者に車を運ぶ方法がありますが、この方法は手間も費用もかかるため、車検をするのであれば、「引き取り納車サービス」を利用するのもおススメです。

 車検を依頼できる業者の中には、車検に出す車を自宅まで引き取りに来てくれて、さらに車検後に納車まで行ってくれる引き取り納車サービスを実施しているところがあります。このサービスは有料となることが多いため、通常の車検よりもお金がかかってしまいますが、車検が切れてしまった車を車検に出す場合は特に便利なサービスです。車検が終わったら自分で車を取りに行くことも可能です。

 最近はネットでも近隣の車検業者を探すことができ、すぐに申し込むことができるので、一刻も早く車検をして車の運転を再開したい方に向いています。

車検切れを起こさないためには?

車検切れを起こさないためには?

 車検の切れた車を所有していても罪には問われませんが、所有しているだけで様々なデメリットがあります。何より、車本来の使い道である運転ができなくなるため、車を使用するのであれば、車検が切れないように有効期限内に車検を受けることが大切です。

 ここでは、車検切れを起こさないためにできることを紹介していきます。車検を忘れやすい方はきちんと対策を立てましょう。

車検の有効期限ステッカーや車検証を確認する

 日常的に乗っている車の車検が切れると、車に乗ることができなくなるばかりか、再び乗ることができるようになるまでに仮ナンバーの取得手続きやレッカー車の手配、引き取り納車サービスの申し込みなど、余計な手間や費用がかかってしまいます。

 そのため、車検を忘れやすい方は、普段から車のフロントガラスに貼ってあるステッカー(検査標章)に記載された車検満了日を定期的に確認するようにしましょう。ステッカー表側(車外側)に記載されているのは車検が満了する年月のみですが、ステッカーの裏側(室内側)を確認すれば、車検の有効期間の満了日が明記されています。運転席からいつでも見ることができるので、忘れずにチェックしておきましょう。

スマホのカレンダーに登録しておく

 車検の満了日を確認しても、それだけでは忘れてしまうかもしれません。車検を忘れないためには、ステッカーや車検証で満了日を確認したら、スマホのカレンダー機能などを使って、車検をする日を決めて登録しておくと便利です。スケジュール管理を手帳で行っている方は手帳にも書いておきましょう。満了日を書いてしまうと期限が切れてしまう可能性もあるので、ある程度の余裕をもって予定しておくと安心です。車検は前倒しで受けることができ、満了日までの1カ月以内に受けるのが一般的です。

車検切れに気付いたらすぐに対処しよう!

 車検切れの車を運転することは違法行為です。違反した場合、厳しいペナルティを受けることになりますし、安全性も保障されていないため危険です。車検を忘れないための対策が何よりも重要ですが、車検が切れていて自賠責保険にも未加入であることに気付いたら、すぐに運転をやめ、対処しましょう。

 目安にはなりますが、車検には普通車で10万円程度の費用がかかります。修理が必要な場合はさらに修理費用も上乗せされます。車検切れを機に車を買い替えるとしても、車を中古売却したお金だけでは新車の費用をまかなうことはできません。車検を受けるにしても、車を買い替えるにしても、ある程度のお金が必要になります。

 新車・中古車の購入や車検、メンテナンスの費用がすぐに用意できない場合は、マイカーローンを検討するのも選択肢の1つです。常陽銀行のマイカーローンは新車・中古車の購入に加え、車検・メンテナンス費用にも利用可能です。また、他社・他金融機関でご利用中の自動車ローンからのお借り換えも可能です。銀行に行かずにスマホやパソコンからご契約可能な商品となっています。借り入れ可能金額がすぐに分かる「5秒診断」や、返済額の目安が分かる「マイカーローンシミュレーション」をお使いいただけるので、お気軽に試算ができます。「インターネット仮審査」では、最短で当日中に審査結果をお知らせすることも可能です。常陽銀行マイカーローンの詳細は下記から参照ください。

常陽マイカーローン
についてはこちら

(2020年9月29日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。

以 上

関連記事

その他のお役立ちコラムはこちら