一軒家の維持費の内訳と費用を抑えるためのポイントを解説

一軒家の維持費の内訳と費用を抑えるためのポイントを解説

 「一軒家を購入・新築したいけれど、維持費を払っていけるのかが心配」「固定資産税ってどのくらいかかるの?」とお悩みではありませんか?

 無理なくローンを返済していくためには、一軒家に住み続けるためにかかるランニングコストについても意識を向ける必要があります。

 本記事では、一軒家に住み続けるために必要な維持費の内訳や相場を詳しく解説します。それを踏まえ、維持費を節約するポイントについても説明していますので、初めての一軒家購入や新築の参考としてぜひ役立ててください。

一軒家の維持費はマンションより抑えられる

 一軒家の維持費は、分譲マンションと比較するとやや低い傾向にあります。一軒家の場合、マンションにかかる修繕積立金や管理費、駐車場代がかからないことが大きな要因です。

 マンションは住人全体で使用する共有施設・設備を管理するために住宅ローンの支払いとは別に管理費を支払う必要があります。また、10~15年に一度のタイミングで実施される大規模修繕の費用を積み立てるために、修繕積立金も徴収されるのが一般的です。

 コンシェルジュや管理人が常駐している物件や、スポーツジムやゲストルームといった施設が併設されている物件は、管理費も比較的高額です。

 また、マンションの修繕積立金は、築年数が経つと高くなる傾向があります。一軒家の場合にはこうした共有設備がなく、管理や修繕を自分で行う必要があります。

 所有する土地や建物に対してかかる固定資産税は、持ち家の維持費のなかでも特に大きな費用の1つです。固定資産税は土地と建物それぞれに課税されますが、一軒家は建物にかかる税額がマンションと比べて低くなりやすいと言われています。

 固定資産税額の違いは、建物構造によるものが大きいです。一軒家の多くは木造で、鉄筋コンクリート造のマンションと比べ経年劣化によって建物の価値が下がりやすい傾向にあります。価値が下がると固定資産税の価格が下がるため、結果的に維持費の負担も軽くなります。

一軒家にかかる維持費の内訳

 一軒家に住み続けるためにかかる主な維持費を詳しく解説します。

修繕にかかる費用

 一軒家に快適かつ安全に住み続けるためには、定期的なメンテナンスが必要です。建物は経年劣化するため、設備の修理・交換費用や外壁や内装の補修などの修繕が必要になります。

 分譲マンションの外壁や廊下、設備などの管理・修繕費用は、入居者が毎月納めている管理費や修繕積立金で賄われます。

 一軒家の場合は毎月の支払いがない代わりに、何かあった場合は自分で費用を負担し、業者などを手配する必要があります。

 修繕積立金や管理費がかからないとはいえ、貯蓄がなければ思わぬ故障や不具合に対応できない可能性があります。修繕費用は建物の耐久性や状態によっても異なりますが、万一に備えて資金を貯めておくと良いでしょう。

固定資産税と都市計画税

 固定資産税や都市計画税は、所有する土地や建物といった不動産の所有者に対して課せられます。

 固定資産税は、1月1日時点で不動産を所有しているすべての人に課せられます。一方、都市計画税は、原則として市街化区域内に土地・家屋を所有している人に課せられる税金です。都市計画税の課税地域かどうかは、土地や建物がある自治体のホームページなどで確認できます。

 税額は土地や建物の評価額に税率をかけて計算するため、経年によって建物が古くなると建物部分の税負担は少なくなります。

 土地に対して課せられる税金は経年劣化による税額の変動はありませんが、周辺の交通網やインフラ事業の発展によって土地の価値が上がり、税金が高くなることもあります。

火災保険や地震保険

 火災保険や地震保険といった住宅保険も、一軒家を維持するうえで発生する費用の1つです。

 火災保険は、火災や自然災害によって建物やその中の家具・家電などに対する損害を補償する保険です。地震保険は、地震や噴火、津波を原因とする被害を補償する保険です。

 基本的に火災保険への加入は義務ではありませんが、住宅ローンを組む際は、火災保険加入が条件となっています。つまり、現金で一軒家を購入する人を除くと、火災保険への加入は実質必須と言えるでしょう。

 地震保険は火災保険とセットで加入します。火災保険と違い、住宅ローンを組む際の条件には含まれていないため、加入は自由です。

 ただし、火災保険では地震が原因で発生した火災に対しては補償されません。地震の多い地域で家を購入する場合や、耐震性能に不安がある場合は加入しておいたほうが良いでしょう。

 地震保険は、国と民間の保険会社が共同で運営している保険のため、保険会社によって保険料に差はありません。

 火災保険の場合、商品によって補償される範囲や加入する保険会社などでも保険料が異なるので、よく比較したうえで自分自身のニーズに適したものを選ぶことが大切です。

庭の手入れの費用

 一軒家特有の維持費として、庭の手入れにかかるコストがあります。

 庭を快適に利用するには、定期的な剪定や草刈り・雑草取りといったメンテナンスが必要です。

 メンテナンスに必要な道具や植木の肥料を購入するなど、細々とした費用がかかります。

 また、大がかりな手入れになると植木屋などの業者への依頼が必要になってきます。

 庭のある一軒家を購入・新築したいと考えているなら、こうした費用がかかることも想定しておきましょう。

一軒家の維持にかかる費用相場

 一軒家の維持にかかるコストの相場を見てみましょう。ある程度の費用を知っておくと、いざというときに備えた資金計画が可能です。

修繕費用の相場

 修繕費用は修繕を依頼する業者や修繕箇所によって大きく異なります。一軒家の修繕は次のような場所で発生することが多いです。

  • 外壁や屋根
  • トイレ
  • 給湯器
  • お風呂
  • 洗面台
  • 壁紙や内壁
  • キッチン(シンク・コンロ・食洗機など)
  • 玄関
  • ベランダ・バルコニー
  • シロアリ関連
  • 給水管
  • 床下
    など

 壁紙や障子の張り替えなど、簡易的で軽微な修繕もあれば、外壁工事やキッチン設備の交換などの大がかりな修繕もあります。

 トイレ・お風呂・キッチンなど、水回りのメンテナンスをまとめて依頼すると、パック料金が適用される業者もあります。

固定資産税と都市計画税の算出方法

 固定資産税と都市計画税は、土地や建物の価値を表す課税標準額に税率をかけて算出します。課税標準額は、土地と建物それぞれの固定資産税評価額に応じて決まります。

 固定資産税評価額は、総務大臣が定める固定資産評価基準によって算出され、3年ごとに評価の見直しが行われる仕組みです。

 建物部分に関しては、同じ建物を再建築した場合にかかる費用を想定して算出します。土地の課税標準額は地価公示価格などの70%程度です。

 それぞれの計算式は次の通りです。

  • 固定資産税額=課税標準額×税率(1.4%)
  • 都市計画税額=課税標準額×税率(0.3%)
    • 自治体によって税率が異なる場合があります。

 例えば課税標準額が3,000万円の一軒家の場合、上記の式に当てはめると固定資産税が42万円、都市計画税が9万円と計算できます。購入予定の一軒家の売り出し価格で概算しておくと、将来かかる固定資産税をある程度把握することが可能です。

 ただし、上記の式で計算した税額は、実際に納めるものと差が生じる場合もあります。

 新築住宅の場合は2分の1の減額措置が適用されたり、購入時期によっては所有期間に応じた税額を売主に直接支払うことになったりするためです。

火災保険や地震保険の相場

 火災保険や地震保険は、一軒家の所在地や建物の構造、加入時に選ぶ補償内容によって保険料が大きく異なります。

 まず、木造住宅は鉄骨・鉄筋造の建物と比べ、火災や洪水、土砂崩れなどで損害を負うリスクが高いとされており、その分保険料も割高です。

 また、ハザードマップで警戒されているエリアなど、地域によっては保険料が高額になるケースもあります。

 補償内容については、加入時に適用範囲やサービス内容を選ぶことができます。水災リスクの少ない地域であれば水災補償を外すなど、取捨選択することで保険料の節約も可能です。

 また、長期契約にして一括で支払うことで保険料が割引になる商品もあります。契約年数や払い方によっても保険料が異なるので、加入時に確認しておきましょう。

庭の手入れにかかる費用相場

 庭の手入れは、次のような作業に費用がかかります。

  • 庭木の剪定・伐採・抜根
  • 芝の張り替え
  • 植え込み・生垣の剪定
  • 防草施工
  • 草むしり・草刈り
  • 鉢の植え替え
  • 砂利敷き
  • 害虫予防・駆除
    など

 作業内容や依頼する業者によって費用に差があります。簡単な作業は自分で行ったり、依頼する前に複数社で見積もりを取ったりすると費用の節約に繋がります。

一軒家にかかる維持費を抑えるためのポイント

一軒家にかかる維持費を抑えるためのポイント

 最後に、一軒家にかかる維持費を抑えるためのポイントを紹介します。

 一軒家に住み続けるにはさまざまなコストがかかります。加えて、住宅ローンを利用する場合は毎月の返済についても考えておくことが大切です。維持費を少しでも節約して、ゆとりある生活を送りましょう。

メンテナンスはこまめに行う

 修繕費用を抑えたいなら、メンテナンスをこまめに行うようにしましょう。修繕にかかるコストは、修繕が大がかりになればなるほど高額になります。

 不良箇所が小規模なうちに修繕を行うことで、短時間かつ少額で家の状態を改善することが可能です。

 定期的に点検し、こまめなメンテナンスを行うことで、家自体の寿命を延ばせるというメリットも得られます。

 例えば、雨風や日光によってダメージを受けやすい外壁や屋根は、大きく劣化してしまうと家の骨組みや室内の設備にも影響を及ぼします。

 大きな影響が出る前にメンテナンスを行い、被害を最小限に抑えることで、建物の状態を保つことができるでしょう。

簡単な手入れや修繕は自分でする

 簡単な手入れや小規模な修理・交換を自分で行うことは節約につながります。

 必要な道具はホームセンターなどで購入できます。インターネットで注文できるものも多いので、必要なものと手順を調べて挑戦してみましょう。

 自分でできる範囲の修繕にとどめるためにも、定期的な見回りや点検が役に立ちます。

 ただし、高所での作業といった危険なものや、電気工事など専門的な知識がないとできないものもあります。無理はせず、難しそうであれば専門業者に依頼しましょう。

サービスが充実した住宅ローンを選んでおく

 維持費を無理なく支払っていくためには、保障やサービスが充実した住宅ローンを選ぶことも大切です。住宅ローンは金融機関によって金利や特典が大きく異なります。

 例えば、働いている女性が住宅ローンを組むのであれば、常陽銀行の「ロング・エスコート」がおススメです。

  • がん保障付団体信用生命保険が上乗せ金利なしでつけられる
  • 産休・育休中は最大2年間元金の返済据置が可能
  • 繰上げ返済手数料が無料

 ロング・エスコートは、団体信用生命保険にがん保障が無料でついており、死亡や高度障害だけでなく、所定のがんと診断されたときも住宅ローンの返済が免除されます。

 がん保険や医療保険に加入してがんに備えている場合、保障内容を見直すことで保険料負担を抑えられる可能性があります。

 また、出産や育児を控えている場合は、2年間利息のみの返済に変更できます。いつでも繰上げ返済手数料が無料なので、余裕のある間に無理なく返済することもできます。

 がん保険に加入する費用や産休・育休中のローン返済を削減できる分、家の維持費を安心して支払うことができるでしょう。

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まとめ

 一軒家に住み続けるためには、固定資産税や修繕費用、保険料といったさまざまな維持費が必要です。

 一軒家の購入や新築を検討すると、家の売り出し価格や借り入れる住宅ローン、建設費などに目が行きやすいですが、住み始めてからの維持費についても考慮しなければ、思わぬ出費が発生して生活が苦しくなる恐れもあります。

 維持費のなかには、大がかりな修繕時の費用や固定資産税など費用が莫大になるものもあります。修繕費を下げるためには、こまめな点検やメンテナンスが必要です。大切な一軒家の状態をより良く保つという意味でも、常に家の状態を把握することが大切と言えます。

 いざというときの出費に備えて、住宅ローン選びから維持費についても考慮した資金計画を心がけてください。

(2022年12月14日)

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以 上

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