つみたてNISAのメリット・デメリット:一般NISAとの違いも解説

つみたてNISAのメリット・デメリット

つみたてNISAとは

 社会の変化により預貯金だけでは資産を増やしにくくなってしまった現代、「貯蓄」ではなく「投資」による資産形成が必要になってきました。そこで、2014年1月にスタートしたのが、個人の資産形成の助成を目的とした少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」です。通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISAでの取引は税金がかからないというメリットがあるため、NISAを活用して資産運用を始める人は徐々に増えていきました。そんな中、 2018年1月に新たにスタートしたのが、少額からの長期積立と分散投資に特化した非課税制度「つみたてNISA」です。

 この記事では、「つみたてNISA」のメリットとデメリット、一般NISAとの違いのほか、どのような人がつみたてNISAの運用に向いているのかを解説していきます。

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAのメリット

 NISAの一番のメリットはやはり「投資による利益に税金がかからないこと」です。多くの方がこのメリットに魅力を感じていると言います。つみたてNISAは少額からの長期積立と分散投資に特化した制度であることから、利益が非課税になること以外にも、長期で資産を形成するうえで様々なメリットがあります。

 この章では、つみたてNISAで資産形成をする場合のメリットを紹介します。

非課税期間は最長で20年間

 NISAは「NISA口座」という非課税口座で新規に購入した金融商品の利益が非課税となります。つみたてNISAの場合、年間最大40万円までの積立投資による利益が非課税となり、NISA口座で投資できる期間は最長20年。合計すると、非課税投資枠で運用できる金額は最大800万円となります。1年間に投資できる金額は40万円と少なめですが、その分、20年間は投資の利益に税金がかからないので、長期での運用・資産形成を考えている人には大きなメリットとなるでしょう。

毎月一定金額を大きな手間なく投資できる

 投資信託の購入方法には、好きなときに好きな商品を購入できる「スポット」と、毎回決まった金額とタイミングで自動的に購入できる「積立」の2種類があります。つみたてNISAの投資方法は「積立」のみなので、買い付けを自分で行う必要はありません。NISA口座を開設した金融機関で積立頻度と投資額、投資する金融商品を決めれば、あとは決まった金額と決まったタイミングで自動的に積立ていくことができます。積立の頻度は「毎日」「毎週」「毎月」など金融機関によって選択肢が異なりますが、月に1度、というケースが一般的です。手間なく一定金額を投資したい方や、買い付けのタイミングが分からないという初心者にとっては楽に投資をすることができる仕組みです。

低コストで長期投資が可能

 つみたてNISAで購入できる金融商品は、金融庁が認めた一部の投資信託に限られています。通常、投資信託は運用期間中に「信託報酬」「販売手数料」などの手数料がかかり、長期の運用の場合、これらの手数料は運用成果に大きく影響します。しかし、つみたてNISAの投資信託は長期での積立と分散投資に適しているだけでなく、信託報酬が低く、販売手数料も0円(ノーロード)と運用コストが安い商品に限定されているため、低コストで長期間の投資をすることができます。投資初心者でも安心して利用することができるでしょう。

いつでも換金可能

 好きなときに売却して現金化できることもつみたてNISAのメリットの1つです。約20%の税金が非課税となる制度には、NISAのほかにもiDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)があります。iDeCoは非課税のメリット以外にも投資した金額すべてが所得控除の対象となるためさらに減税することができますが、iDeCoでの投資は原則として60歳まで引き出すことができません。そのため、老後資金の準備として運用するのであれば問題ありませんが、60歳になるまでに用途が決まっているのであれば、いつでも売ることができるつみたてNISAのほうが便利です。

つみたてNISAのデメリット

つみたてNISAのデメリット

 つみたてNISAは長期での積立と分散投資に特化した制度のため、長期投資をするうえでは多くのメリットがあります。その反面、選択肢が限られていたり、自由度が低いなど様々な制限があり、そのことがデメリットになる場合もあります。ここでは、つみたてNISAのデメリットについて見ていきます。

スポットで買い付けることができない

 スポット購入は、自分が好きなタイミングで好きな金融商品を購入することができる投資信託の購入方法の1つです。手持ち資金に余裕ができたときや、投資信託の基準価額が安いときなどに追加で買い足していくことができる便利な方法です。しかし、つみたてNISAの場合は投資信託の購入方法が積立のみと決まっているため、買い時の局面がきた場合でも、スポットでの追加購入をすることはできません。

投資信託の商品が限定されている

 つみたてNISAの対象商品は、金融庁が認めた投資信託(長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF))に限られています。投資の知識に乏しい初心者には、積立に適した商品に選択肢が絞られている点はメリットとなりますが、一方で、多くのラインナップから購入商品を選びたい方や、買い付けのタイミングを自分で決めたい方にはデメリットとなります。個別の株式を始め、国内・海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)などへは投資をすることができないため、幅広い商品に投資をしたい場合は一般NISAを利用しましょう。

 また、つみたてNISAで購入できる投資信託やETFに関しても、すべてを取り扱っているところはなく、金融機関によって取り扱い商品や取り扱い数が異なります。口座を開設する前に、事前に購入できる商品を確認しておくと安心です。

非課税枠は翌年以降に繰り越せない

 NISAの大きなメリットである非課税枠は、1年ごとに設定されるものです。年内に使い切らなかった未使用の非課税枠は翌年に繰り越すことはできません。つみたてNISAの場合、年間に投資できる上限額がそこまで多くはないので、非課税のメリットを最大限に生かすのであれば、40万円の非課税枠は毎年使い切るようにするのが賢い運用方法と言えるでしょう。積立の頻度が毎月の場合は、月々3.3万円の積立をすると1年間で約40万円となるので、1カ月の投資上限額は約3.3万円となります。

一般NISAとの併用は不可

 非課税口座である「NISA口座」を開設できるのは、すべての金融機関を通じて1人1口座のみと決まっています。また、NISA口座内で新規に購入した金融商品のうち、一般NISAとつみたてNISAは同一年での併用ができないため、NISAを始めるときはどちらかを選ぶ必要があります。それぞれ特徴があるので、目的やスタイルに合わせ、どちらのNISAで運用するのか事前に決めておくと良いでしょう。また、NISAは選択制のため、1年単位で変更することができます。投資のスタイルが合わないと感じたときは、翌年に変えても問題ありません。

一般NISAとつみたてNISAとの違い

一般NISA つみたてNISA
新規の投資期間 5年間 20年間
年間投資上限額 120万円 40万円
投資対象商品 上場株式/投資信託 金融庁が定めた基準を満たす投資信託/ETF
投資方法 一括買付/積立 積立のみ

 NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類あり、非課税で投資できる期間、年間の投資上限額、購入できる金融商品、投資方法など、それぞれ条件が異なります。一般NISAは新規の投資期間が5年とつみたてNISAよりも短期間ですが、その分1年で投資できる上限額が120万円とつみたてNISAよりも多いのが特徴です。他にも、一般NISAは投資対象商品や投資方法の自由度が高いため、ハイリスク・ハイリターンになりやすく、比較的短期でも資産形成が可能な制度ということができます。一方、つみたてNISAは、少額から地道に長期で運用するのが得意なNISA。どちらにもメリット・デメリットがあるので、ライフプランや投資の目的に合わせて2つのNISAをうまく使い分けることが大切です。

つみたてNISAが向いている人とは?

つみたてNISAが向いている人の特徴

 前の章で一般NISAとつみたてNISAの違いについて解説しましたが、つみたてNISAは少額からの長期積立と分散投資に特化した非課税制度なので、少額かつ中長期でコツコツ投資を始めたい人にはおススメの制度です。しかし、制限も多いため、短期・中期である程度の資産形成を目的としている方や自己判断で運用をしたい方、投資経験者には物足りないかもしれません。

 そこで、この章では、どのような人がつみたてNISAを活用した資産形成に向いているのかをご紹介します。

投資初心者の人

 つみたてNISAで扱う投資信託は、金融庁が詳細にわたって決めた長期での運用と分散投資に向いた商品としての条件をすべてクリアしているものです。投資信託の中にはハイリスク・ハイリターンな投資の知識を必要とするものもあります。そのため、投資信託の品質の見極めが難しい初心者の方には、投資信託の内容が金融庁に保証されているつみたてNISAはおススメと言えます。「どの金融商品」に「どれくらいの頻度」で「いくら投資するのか」を決めれば自動で投資ができる点も初心者の方向きでしょう。

少ない積立額から始めたい人

 つみたてNISAは少額からの投資が可能です。積立可能な投資金額は金融機関や証券会社によって異なりますが、一般的には毎月1,000円から設定しているところが多く、中には100円から、というところもあります。 投資額が多いほうが資産を増やすことはできるので、達成期日や目標額が決まっている場合は試算をして毎月の投資額を算出した方が良いと思いますが、収入や家計の状況に合わせ、無理のない積立額で投資を始めることができるのもつみたてNISAの魅力です。積立金額は途中で変更することもできるので、まずは余裕資金で始めることが大事です。

長期で堅実に投資したい人

 つみたてNISAでは、投資信託を通して値動きの異なる複数の資産や地域に分散投資をすることにより、特定の株式や債券が大幅に価格の変動を起こした場合でも、影響を小さくすることができます。また、非課税枠での運用期間が20年と長いので、長期間保有することにより、一時的な価格変動が起きた場合も影響を一定の範囲内に留めることができます。長い目でみて、堅実に投資したいという人におすすめです。ただし、投資信託によっては株式の比率が大きく、リスクとリターンが比較的高めの商品もあるため、購入前にきちんと下調べすることが重要です。

つみたてNISAは投資初心者の人にもおススメ!

 少額から長期にわたり、コツコツ継続して資産を形成することを目的とした非課税制度「つみたてNISA」。投資にかかる手間も少なく、計画的に資産を増やしていこうと思っている方はもちろん、これから投資を始めようと思っている初心者の方にもおススメの制度です。

 常陽銀行でも、「常陽でNISA(少額投資非課税制度)」にて、実績のあるたわらノーロードシリーズの中から厳選した6ファンドをつみたてNISAの対象商品として取り扱っています。スマホアプリでのお申し込みなら、来店や郵送手続きをすることなくNISA口座を開設することができ、口座開設後は、ご希望の運用期間や運用目的などをお聞きしたうえで、金融のプロがお客さま一人一人に合ったファンドを見つけるお手伝いをいたします。お気軽にご相談ください。

NISAを始めよう!

(2020年8月20日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。

以 上

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