住宅ローンの繰上返済とは?メリット・デメリットと最適なタイミングを解説

住宅ローンの繰上返済とは?メリット・デメリットと最適なタイミングを解説
2026.05.29

住宅ローンの返済は長期にわたるため、できるだけ負担を抑えたいと考える方も多いでしょう。その方法の1つとして挙げられるのが「繰上返済」です。

本記事では、繰上返済を行う前に知っておきたい基本的な仕組みをはじめ、種類ごとの特徴やメリット・デメリット、最適なタイミング、注意点について分かりやすく解説します。
繰上返済をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

住宅ローンの繰上返済とは、毎月の返済とは別に、元金の一部または全額を前倒しで返済する方法です。

元金を早期に減らすことで、その後に発生する利息負担の軽減が期待できます。
ローンの返済初期はとくに利息部分の割合が大きいので、早い段階で繰上返済を行えば、返済総額を抑えられる可能性があります。

繰上返済の方法にはいくつか種類があるため、目的や資金状況に応じて方法を選ぶことが重要です。

一部繰上返済と全額繰上返済の違い

繰上返済の方法には、元金の一部を返済する「一部繰上返済」と、ローン残高を一括で返済する「全額繰上返済」があります。

一部繰上返済は、ボーナスや臨時収入が入ったときや貯金が増えたときなど、手元資金に応じて柔軟に行える点が特徴です。
一方、全額繰上返済は住宅ローンを完済できるだけの資金が必要になるため、退職金や資産売却などでまとまったお金が確保できた場合によく選択されます。

繰上返済の種類と選び方

一部繰上返済には、「返済期間短縮型」「返済額軽減型」の2つの方式があります。

返済期間短縮型と返済額軽減型の違いを示す図 返済期間短縮型と返済額軽減型の違いを示す図

返済期間短縮型は毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮する方法で、利息の軽減効果が高く、返済総額を抑えたい方に向いています。

一方、返済額軽減型は返済期間はそのままに、毎月の返済額を引き下げる方法です。
家計負担を軽くしたい場合などに選ばれます。
まずは「返済総額の軽減」と「毎月の負担軽減」のどちらを優先するかを整理し、ご自身のライフプランに合った方法を選ぶことが大切です。

住宅ローンの繰上返済には、家計や将来設計において次のようなメリットがあります。

メリット 内容
返済総額を減らせる可能性がある 元金が減ることで利息負担が抑えられ、結果として返済総額の軽減が期待できる。
返済期間を短縮できる 返済期間短縮型を選択すれば、完済までの期間を早められる。退職までに住宅ローンを完済すれば、退職金を老後資金に充てるなど資金用途が広がる。
毎月の返済負担を軽減できる 返済額軽減型を選択すれば、毎月の返済額を抑えられる。教育資金の増加や収入の減少などに対応しやすくなる。
将来的なマネープランを立てやすくなる ローン残高が減ることで、教育資金や老後資金の準備を進めやすくなる。

上記のメリット以外にも、繰上返済によって住宅ローン残高が減ることには、「心理的な安心感につながる」といった側面もあります。
とくに近年は金利の上昇が続いているため、将来的な利息負担の増加に備えられるのもメリットの1つと言えるでしょう。

繰上返済にはメリットがある一方で、いくつか注意点もあります。

デメリット 内容
手元資金が減少する 繰上返済に資金を充てることで、急な出費や収入減に対応するための資金が不足する可能性がある。
手数料がかかる場合がある 金融機関や手続き方法によっては、繰上返済時に手数料がかかるケースがある。
住宅ローン控除(減税)に影響する可能性がある 住宅ローン控除の適用期間中にローン残高が減ると、控除額が小さくなる可能性がある。
団体信用生命保険(団信)の保障が減ってしまう ローン残高の減少や完済によって、団信の保障が縮小または終了する。

上記の中でも注意したいのが、「団体信用生命保険(以下、団信)の保障の減少」です。
団信は契約者に万が一のことが起こった際にローン残高が保障される仕組みのため、繰上返済によって残高が減ると、保障額も減少します。
完済すると保障自体が終了してしまうため、がん団信や疾病特約などを付帯している場合には、生命保険や医療保険などの見直しを検討したほうが良いでしょう。

とくに「がん保障付団信」などの特約付き団信に加入している場合、繰上返済でローンを完済してしまうと、その手厚い保障も同時になくなってしまいます。
「団信も生命保険の一種」という視点を持ち、一般的な生命保険と比較してから決断するのが賢明です。

繰上返済は行うタイミングによって効果や家計への影響が変わるため、適切な時期を見極めることが重要です。
どのようなタイミングで行うと良いのか、代表的な例を見ていきましょう。

ボーナスや臨時収入があったとき

ボーナスや退職金、相続、資産の売却などでまとまった資金が入ったときは、繰上返済に最適なタイミングです。
臨時収入は生活費とは切り離して考えやすいので、家計への影響を抑えながらローンの返済負担を軽減することができます。

また、まとまった金額を一気に返済すれば、返済総額を効率的に減らせる可能性があります。

住宅ローン控除は、年末のローン残高によって控除額が決まります。
そのため適用期間中に繰上返済を行うと、ローン残高の減少によって節税効果が薄れてしまうことも。
節税効果を優先するなら、適用期間の終了後に行いましょう。

金利が上がったとき

金利が上昇局面にあるときも、繰上返済を検討するタイミングです。
元金を早めに減らしておくことで、将来的に発生する利息の増加を抑えられる可能性があります。とくに変動金利を選択している場合は金利上昇の影響を受けやすいため、早めに繰上返済を検討したほうが良いでしょう。

4章「住宅ローンを繰上返済するデメリット」では繰上返済によるデメリットを説明しましたが、ここではより具体的な注意点を説明します。

生活防衛資金を確保する

預金が増えたから、まとまった資金が確保できたからといって、すべての資金を返済に充ててしまうと、急な出費や収入減に対応できなくなる恐れがあります。
繰上返済を行う際には、「生活防衛資金」は手元に残るようにしてください。
一般的には、生活費の6カ月〜1年分程度を確保しておくと安心とされています。

将来のライフイベントを考慮する

家計の支出は、子どもの成長や自分たちの年齢とともに少しずつ変化していくものです。
現在は家計に余裕があっても、数年後に教育資金や介護資金などでまとまった支出が発生する可能性もあります。
そのため、繰上返済を行う際には住宅ローンの負担軽減だけでなく、将来必要となる支出も踏まえたうえで、無理のない範囲で検討しましょう。

住宅ローン控除との兼ね合いを確認する

2026年現在の住宅ローン控除の制度は年末のローン残高の0.7%が控除される制度で、適用期間は入居時期や物件の種類によって10年間または13年間となります。控除期間中に繰上返済を行うと、控除額が小さくなる可能性があります。
ただし、収入や繰上返済額によっては影響がないケースもあるため、必ずシミュレーションを行い、制度との兼ね合いを確認しておきましょう。また、返済期間短縮型の繰上返済により、残りの返済期間が10年未満となった場合は、控除の適用対象外となる点にも注意が必要です。

繰上返済以外の選択肢も検討する

返済負担を軽減する方法は、繰上返済だけではありません。
借り換えによって金利負担を軽減する方法や、資産運用を優先する考え方もあり、どの方法が最適かは金利動向や家計状況によって異なります。

2026年現在、資産運用の環境も大きく変わっています。「ローンの金利を払わなくて済むメリット」と「新NISA等で運用して得られる期待収益」を比較する、いわゆる「住宅ローン vs 投資」の視点も欠かせません。例えば、ローンの適用金利が非常に低い場合、繰上返済せずに手元資金を運用に回したほうが、最終的な資産形成が早まるケースもあります。それぞれの方法でシミュレーションを行い、自分たちのマネープランや目的に合う方法を選びましょう。

常陽銀行では、店頭(窓口)またはインターネットバンキング(アクセスジェイ)で繰上返済の手続きが可能です。

常陽銀行 住宅ローン繰上返済手数料
適用金利 繰上返済金額 窓口 インターネットバンキング(アクセスジェイ)
固定金利 一部繰上返済 22,000円 無料
全額繰上返済 44,000円 取り扱いなし
変動金利 一部繰上返済 5,500円 無料
全額繰上返済 22,000円 取り扱いなし

インターネットバンキングなら、一部繰上返済の手数料が無料で利用できます。
ただし、最低返済額は10万円以上、手続きは1カ月に1回までのため、金額とスケジュールに注意しましょう。

繰上返済手数料はいくらかかりますか?

最後に、住宅ローンの繰上返済でよくある質問を紹介します。

Q

住宅ローン控除期間中は繰上返済しない方がいい?

Q

繰上返済と借り換え、どちらがおトク?

Q

ボーナス返済分だけの繰上返済は可能?

繰上返済は、住宅ローンの返済負担を減らしたいときに有効な方法の1つです。

ただし、手元資金の減少や税制面への影響などの注意点もあるため、将来のライフプランとのバランスを考えながら、無理のない範囲とタイミングで行うことが重要です。

常陽銀行ではインターネットバンキング(アクセスジェイ)からの一部繰上返済なら手数料無料で利用でき、10万円から手続きが可能です。
ライフプランを踏まえた返済計画の相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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以 上