定期預金のメリットは?利用時の注意点や銀行の選び方を紹介

定期預金のメリットは?

定期預金とは

 定期預金とは、預け入れてから一定期間お金を引き出すことができない預金のことであり、一般的に普通預金よりも金利が高く設定されています。銀行にもよりますが、預け入れの期間は、最短1カ月が主流であり、それ以外には、3カ月や6カ月、1年~10年など選択することができます。

 金利は、単利と複利の2種類があります。単利は、預けた元本のみにつく利息のことであり、複利は、利息を元本に足して次の利息が計算されます。長期的に預け入れを考えているのであれば、複利のほうがより多くの金利を受け取ることができます。

 また、預金保険制度があるため、万が一預金していた金融機関が破綻したとしても、定期預金や普通預金などは1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。ただし、保護される預金の種類や限度額などが決まっているため、注意が必要です。

定期預金のメリット

定期預金のメリット

 定期預金のメリットについて詳しく紹介します。

元本保証されている

 定期預金は、元本保証の金融商品です。原則として、初めに設定した預入期間を過ぎるまでは、お金を引き出すことはできない代わりに、万が一途中解約した場合でも元本は保証されます。

普通預金と比べるとやや利率が高い

 定期預金は、普通預金と比べると預金金利が高いです。また、預け入れる期間が長ければ長いほど、高金利になる傾向があります。例えば、1カ月よりも1年、2年と預け入れをしたほうが、金利が高い傾向にあります。特に使い道がないお金があるのであれば、普通預金よりも定期預金のほうがおトクに金利をもらうことができます。とはいっても、日本は低金利であり、金利差は大きくはありませんので、定期預金に預ける前に金利差や注意点などを確認するとよいでしょう。

お金が手元にあると使ってしまう人も貯金を続けやすい

 定期預金は、お金が手元にあるとどうしても使ってしまうという方でも、貯金を続けやすくなります。キャッシュカードでいつでも入出金できる普通預金と違い、定期預金は中途解約を行わなければ引き出すことはできません。また、ネットバンキングの預金残高画面でも、普通預金と定期預金は別々に表示されます。現時点でどのくらいのお金が貯められているのかを一目で確認できるため、貯金のモチベーションも上がりやすくなります。したがって、なかなか貯金できないという方でも、定期預金であれば貯金がしやすくなるのです。

目的に合わせて満期期間が選べる

 定期預金なら、目的に合わせて満期期間を選ぶことができます。例えば子供の入学資金を確保するのが目的の場合、子供の入学する時期に合わせて満期の期間を設定することが可能です。将来に発生する大きな出費を、定期預金であれば事前に準備することができます。

定期預金の種類

 定期預金の種類について、代表的なものを紹介します。

定期預金の種類 特長
定期預金 一般の定期預金。1カ月、1年、3年などの期間が決まっている。
スーパー定期 都市銀行や地方銀行等で提供されている定期預金。満期まで引き出せないが、高い預金金利がついているのが特長。金利や満期期間は銀行によって異なる。
期日指定定期預金 預金口座開設後、指定の期間が経過すると自由に満期日を設定し引き出せる定期預金。
大口定期預金 1,000万円以上の金額を預け入れて利用する定期預金。金利情勢によっては金利を高く設定することができる。
積立定期預金 毎月決められた金額が、普通口座から積立預金口座へ自動的に送金されて、積み立てていく定期預金。
ネット定期預金 ネット銀行やインターネット支店で募集している定期預金。スーパー定期と基本的な仕組みは同じだが、店舗を持たない分コストを節約できるため、金利が高く設定されている。

 定期預金は、資金を預ける期間を利用者本人が決めて預金を行います。預入期間は、銀行によって異なり、銀行の定期預金プランから選ぶ形となります。原則、指定した期間を過ぎなければ入出金はできず、どうしてもお金を引き出したいのであれば、定期預金を解約する必要があります。

 スーパー定期は、一般的に都市銀行や地方銀行などで提供されている定期預金です。基本的に、定期預金と何ら変わりはありません。

 期日指定定期預金は、預金口座を開設してから指定の期間が過ぎると、自由に満期日を指定することができます。通常の定期預金であれば、預入期間を自分で設定します。一方、期日指定定期預金は、指定期間を過ぎれば自由に期間を決めることができます。どうしてもお金が必要になってしまった場合、指定期間を過ぎていれば自由に満期を決められるため、金利が下がってしまうことがありません。

 大口定期預金は、1,000万円以上の金額を預け入れて利用する定期預金です。定期預金と同じく、預入期間は、銀行が提供するプランから選択します。大口定期預金は、預け入れる金額が大きいため、他の定期預金と比べ高金利になる傾向がありますが、低金利時代の昨今では、他の定期預金と同水準であることが多いです。

 積立定期預金は、毎月一定の金額を普通預金から振り替える形で積み立てを行っていく定期預金です。各金融機関ごとにタイプが異なり、毎月別々の定期預金を組んでいくものや、毎月の積立資金をまとめて定期預金として組むものなどがあります。

 ネット定期預金は、ネットバンクや都市銀行、地方銀行などが提供する定期預金です。一般的な定期預金と何ら変わりはなく、ネット専用定期預金という意味でネット定期と呼ばれています。

定期預金を利用する際の注意点

定期預金を利用する際の注意点

 定期預金を利用する際の注意点は、上記のとおり、大きく4つあります。
 それぞれ詳しく紹介します。

中途解約すると金利が低くなる場合が多い

 定期預金を満期より前に解約すると、金利が低くなり不利になることがあります。満期まで預け入れをするのが基本であるため、中途解約をしてしまうとペナルティーとして預入時に約束した金利から差し引かれてしまい、低い金利となってしまうのです。なるべくであれば、満期まで定期預金を解約しないようにしましょう。

保護されるのは1金融機関につき1,000万円まで

 定期預金を預けている銀行が万が一破綻してしまった場合、預金保険制度によって一定の範囲で保護されます。定期預金や利息の付く普通預金等は、預金者1人当たり、1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。1,000万円を超える部分は、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます(一部カットされる場合があります)。

過去と比べると金利が低い

 過去と比べると、現在の定期預金は金利が低いため、資金を預け入れる期間が短いと運用効率は良くありません。バブル期の定期預金は金利が5%を超える場合もありましたが、2023年11月13日現在、常陽銀行の定期預金の金利は1ヵ月ものから4年ものが0.002%、5年ものが0.07%、10年ものが0.2%となっています。

インフレのリスクがある

 定期預金は、インフレに弱いという性質を持っています。インフレとは、モノの価値が全体的に上がり、お金の価値が下がることです。例えば、1年間の物価の上昇が2%とした場合、100万円のモノは102万円になります。仮に定期預金の金利が0.002%だとすると、100万円預けた場合税引き後の利息は約16円にしかなりません。預金していてもほとんどお金が増えないため、買いたいものを買うことができません。ただし、反対のデフレには、定期預金は強いです。

定期預金を預ける銀行を選ぶポイント

定期預金を預ける銀行を選ぶポイント

 定期預金を預ける銀行を選ぶポイントは、大きくは上記の4つがあげられます。
 それぞれ詳しく紹介します。

ペイオフの対象になっているか

 定期預金の魅力は何といっても安全性第一のため、ペイオフ対象となっている銀行を選ぶ必要があります。ペイオフとは、破綻した金融機関に代わって預金保険機構が預金者に預金を一定額までは払い戻す制度のことです。外国の銀行は、ペイオフ対象になっていない場合があるので注意しましょう。また、都市銀行やインターネット銀行だけではなく、地方銀行、信用金庫もペイオフ対象です。ペイオフ対象の銀行の調べ方は、預金保険機構のホームページより確認してください。

預金金利の高い銀行か

 定期預金を預けるのであれば、少しでも預金金利が高い銀行を選びましょう。ネット銀行や信用金庫、信用組合などは、やや金利を高めに設定している場合もあります。したがって、少しでも金利が高い銀行で定期預金を組むことがおススメです。ただし、利息は20.315%源泉徴収された額が支払われることになるので、税引き後の金利が実際の金利ということを忘れないようにしましょう。

高金利になる適用条件が合う商品を扱っているか

 定期預金を選ぶ際は、高金利になる条件と自分が考える預け方が合うかどうかも大切です。一般的に市場よりやや高めに設定している定期預金では、預入期間のほかに、最低預入金額と単位、特別金利が適用される条件などがつく場合があります。例えば、高い金利がつく場合は、大きな資金を預け入れしたときや5年以上の長い年月の預け入れなどのときです。また、新規口座開設や新規預け入れの資金に対して、高めの金利を設定している銀行もあります。

 その他にも、退職金からの預け入れや年金受取口座に指定した場合など、一定の条件を満たせば高めの金利を提供する銀行もあるのです。ただし、一定の条件を満たしていなくても出資等を納めることで、高い金利を提供される場合もあります。これを機会に、一度問い合わせをしてみても良いかもしれません。

特典やサービスは充実しているか

 定期預金を選ぶ際は、特典やサービス、キャンペーンなどが充実しているかも重要なポイントです。キャンペーン期間中に預け入れると高めの金利が設定されている傾向にあり、生活雑貨等の粗品がついてくる場合もあります。また、抽選でカタログギフトやお米などが当たったり、預入額によっては定期的にお米が届いたりと、魅力的なキャンペーンを用意している銀行もあります。オリンピックやワールドカップなどのイベント記念の定期預金などを取り扱う銀行では、記念品を目当てに申し込むこともあるようです。

 最近では、各種ポイントやマイルなどをもらうこともできるため、これらを集めているのであれば大変おトク感があると言えます。その他にも、宝くじ付き定期預金や懸賞付き定期預金など、当選すれば利息を大きく超える収益となる可能性のある定期預金などもあります。ただし、そういったキャンペーンや特典は、一定期間しか申し込むことができない傾向にあるため、事前に確認しましょう。

定期預金は着実に貯金をしたい人にはおススメ

 定期預金は資産を安全に管理したい人や、貯金ができないので強制的に積み立てたい人におススメです。一方で、金利が低いので、資産を増やしたいという目的があるなら、リスクを取って投資を選ぶのも選択肢の一つです。

 そこでおススメするのが、常陽銀行が提供する「積立投信」です。常陽銀行の積立投信なら、月々1,000円から手軽に始めることができます。また、毎月少しずつ購入していく投資方法となるため、一括購入よりも平均単価を抑えリスクを分散させた投資が可能です。

 またNISAであれば得られた利益が非課税になるため、投資の初心者には向いています。NISA制度は2024年から新しくなり、年間の投資上限額が360万円に増額になったり、非課税期間が無期限になったりするなど、より長期的な資産形成がしやすくなりました。結婚や住宅資金、お子様の教育費準備から、セカンドライフに向けた準備、退職金の運用まで、どのライフステージにおいても活用できる制度です。

 目的に応じて、定期預金とNISAを組み合わせることで、インフレにもそなえることが可能です。大切なお金を守るために定期預金の他、NISAなどの国の制度も活用してみてはいかがでしょうか。

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(2024年1月4日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。

以 上

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