光熱費とは何?費用の仕組みと生活の仕方を見直す節約術を解説

光熱費とは何?

光熱費とは?仕組みについて

 光熱費の節約と一口に言っても、効率良く行う方法は、自らのライフスタイルを見直しつつ、プランを変えたり、日頃の注意点を整理したりと、さまざまです。「どうやったら良いのか分からない」「そもそも、どのような仕組みで光熱費が決まっているの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。そこでまず初めに光熱費は生活で発生する支払いのうち何を指すのかを解説します。

生活費の1つ

 光熱費は、電気代やガス代といったエネルギーを使うためにかかる費用のことです。上下水道使用料金も含めて水道光熱費と呼ばれることもあります。水道料金、電気代やガス代はいずれも「基本料金」と「使用料」の2つを合計した額を支払う仕組みです。

基本は固定費という扱い

 光熱費は賃貸アパートでも持ち家でも、生活を維持するために毎月必ずかかることから、固定費に含まれます。

 ただし、「夏はエアコンで部屋を冷やす機会が多くなる」「冬は熱いお風呂に入るためにガスの利用量が増える」など、月によって発生する費用が変わることも多々あります。利用量が増えれば、それに比例して従量料金は増加します。

 また、日本では原油や天然ガス、石炭などエネルギーを作り出す原料を海外から輸入していることがほとんどのため、原料の価格や為替相場が変わるとその調整用の費用が料金に反映されます。

 確実に起こりうる出費のため、固定費という扱いではあるものの、実際は毎月の費用が異なると考えましょう。

気候による地域差も

 2021年の総務省の統計局による家計調査によると、北海道地方の1カ月当たりの水道光熱費は1世帯当たり約23,090円、関東地方は約17,017円です。

 内訳を見ていくと、北海道地方は関東地方に比べ、他の光熱費と呼ばれる灯油などの利用料が5,000円近くも高くなっています。電気代も2,000円ほど北海道地方のほうが高額です。北海道は冬の暖房に灯油がよく使われるため、関東地方と比べると高額になっています。

 そのため光熱費の節約を目指す場合、引越しを控えているのであれば住む場所が光熱費の抑えられる立地かどうかを確認することも大切です。

それぞれの世帯の水道光熱費の平均

 生活スタイルや地域のほか、一緒に住む人数も月々の水道光熱費に影響します。一人暮らし世帯、二人暮らし世帯、4人家族世帯の水道光熱費の平均を解説します。

一人暮らし世帯の平均

 総務省統計局が公表している家計調査によると、2021年の一人暮らし(単身世帯)の水道光熱費の全国平均は、1カ月当たり約11,383円でした。内訳を多い順に並べると、次の通りです。

  • 電気代
  • ガス代
  • 上下水道代

 もっとも高い電気代は、水道光熱費1カ月分のうち約48.1%を占めています。具体的な費用にすると約5,482円です。ガス代はプロパンガスと都市ガスによって差があるものの、全国平均は約3,001円となっています。

 また上下水道料は約2,248円、灯油を使用するストーブなど電気・ガス以外の光熱費は1カ月約651円です。一人暮らし世帯であっても、居住場所による影響を大きく受ける可能性があり、電気・ガス以外の光熱費が高額となることもあります。

二人暮らし世帯の平均

 二人暮らしの場合、総務省統計局の家計調査によると2021年の1カ月当たりの水道光熱費の平均額は約19,168円です。一人暮らしに比べると、主に電気代が高額となり、1カ月約9,183円と、およそ2倍近くかかっています。

 またガス代は約4,330円、上下水道料は約4,344円です。例えば石油ストーブなどを使用していた場合、電気・ガス以外の光熱費として1カ月に約1,311円かかります。

 一人暮らし世帯と比べると、水道光熱費のいずれも毎月2倍はかかると考えておくと分かりやすいです。

4人家族世帯の平均

 4人家族世帯の場合、2021年の調査では水道光熱費の1カ月平均額は約23,477円です。もっとも高いのは電気代で約11,376円、ガス代は約4,882円、上下水道代は約6,465円となっています。

 二人暮らしの世帯と比較すると、家族の人数は2人増えていますが、電気代は1カ月で約2,000円の差、ガス代は約500円の差となっています。

 4人家族と2人家族の差が少ない要因としては、電気を使用するエアコンや、ガスを使用するキッチン・お風呂を家族で共有していることがあげられます。

光熱費の節約方法 電気代編

光熱費の節約方法 電気代編

 電気代の節約を考えるのであれば「日々の電気の利用量を減らす」こと、そして「使う時間やプランの見直し」を行うことが大切です。それぞれ詳しく解説します。

家電の使い方を工夫する

 日頃からよく使う家電や日常生活に欠かせない家電があれば、使い方を工夫することにより電気利用料を減らせる場合があります。

 例えば夏場と冬場共によく使用するエアコンは、指定された温度まで部屋を温めたり冷やしたりする時に、より多くの電気が消費されます。そのため、部屋を離れる時間が短い場合はつけたままにしておくほうがおトクです。

 また食材の保存に欠かせない冷蔵庫は、冷気を保つようにドアの開け閉めを短時間で行うようにしましょう。長時間開けっぱなしにすると冷気が逃げてしまい、再び内部を冷やすために多くの電気を消費します。

 在宅ワークにより家でパソコンを使う機会が増えた方は、シャットダウンを行うタイミングも大切です。シャットダウン後すぐにパソコンを使う予定がある場合、スリープ状態にしたほうが電気を消費せずに済みます。

 日頃からよく使う家電を中心に使い方を見直すことで、節約効果を高められます。長年使用している家電なら、省エネ家電へ買い替えることも検討してみてください。

使う時間やプランを見直す

 契約する電力会社の契約プランを確認し、普段から家電をよく使う時間帯と電気料金を確認してみましょう。

 プランに注目する理由は、電気料金の構成要素にあります。電気料金の決定に関わる要素は主に下記の4つです。

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 燃料費調整額
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金

 それぞれ電力会社が契約プランごとに設定する固定料金が「基本料金」、電力の利用量に応じてかかるのが「電力量料金」、電気を作る原料の価格変動を電気代に反映させたのが「燃料費調整額」、自然エネルギーで発電された電力を電力会社が買取りその費用を国民が負担することで発生するのが「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。

 この4項目のうち、「燃料費調整額」や「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、私たち個人が自由に変えられるものではありません。そこでプランを自分の生活スタイルに合わせたり、プランの中で電気代の単価が高く設定されている時間帯を避けたりするなどで、利用料を抑える工夫が必要です。

 今のプランを見直し、無理なく電気代の節約につなげていきましょう。

光熱費の節約方法 ガス代編

光熱費の節約方法 ガス代編

 ガス代を節約する方法として「都市ガスの物件に住む」ことと、「セットプランを利用する」ことの2つがあげられます。それぞれ具体的に見ていきます。

都市ガスの物件に住む

 都市ガスの物件に住むとガス代を節約できます。

 プロパンガスと都市ガスの主な違いとして、自宅にガスが届くまでの供給方法の違いがあげられます。プロパンガスはガスを詰めた容器を契約物件まで配送するのに対し、都市ガスは水道のように直接自宅にガスを供給する管が敷かれています。

 こうしたガスの供給にかかる人件費の違いから、都市ガスの物件に住むとガス代節約につながります。これから賃貸物件を選ぶ際や、新築で家を建てる際の参考にしてください。

セットプランを利用する

 ガス会社で電気とガスをセット契約することで割引が適用されるプランを実施している場合は、料金の節約にもつながる可能性があるため、利用を検討してみましょう。

 クレジットカードなどポイントが付与される支払い方法であれば、セットプランにすることで利用料を1つにまとめられるのと同時に、ポイントアップも狙えます。

 ただし、ガスや電気の使い方によっては料金が高額になる場合もあるため、利用する際は、自分の生活に合うプランかどうかを必ず確認しましょう。

光熱費の節約方法 水道代編

光熱費の節約方法 水道代編

 光熱費を節約するためには水の使い方も見直しましょう。特にお風呂や洗濯機は、水を多く使います。ここでは水道代節約の2つの方法を解説します。

シャワーを出しっぱなしにしない

 お風呂の節約術として、シャワーをこまめに止めることがあげられます。出しっぱなしにしないようにシャワーの栓をこまめに閉めるほか、節水機能を持つシャワーヘッドへ交換するのも1つの手です。冬場なら先に浴室内を温めておくことで、シャワーの出しすぎを防げます。

 またシャワー以外にも、歯磨きの最中に洗面所の水を流しっぱなしにしないなど、流しっぱなしを止めるだけで節水できる場所はたくさんあるため、普段の生活から気を付けてみましょう。

洗濯物はまとめて洗う

 洗濯物を洗う際は、まとめて洗うようにしましょう。洗濯の回数を減らすことで節水につながります。

 また、1回目の洗濯にはお風呂の残り湯を使い、すすぎには水道の水を使う注水を選ぶと、節水になるためおススメです。すすぎ1回に対応した洗剤へ変え、すすぎの回数を減らすのも効果的です。

 ただし、まとめて洗うと言っても、洗濯機が対応できる容量を超えてしまうと、衣類が洗いきれなかったり、洗剤が残ってしまったりします。洗濯機の最大容量は機種によって異なるため、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

節約以外の光熱費対策とは?

 光熱費は電気、ガス、水道をそれぞれ工夫して使うことで節約することができます。他にも、光熱費対策としておススメの方法を2つご紹介します。

支払いにクレジットカードを使う

 銀行口座引き落としを選択しているのであれば、普段使用しているクレジットカード会社のポイント還元率を確認したうえで、光熱費の支払いにクレジットカードを利用してみましょう。

 例えば100円で1ポイントが還元されるクレジットカードで、毎月5,000円の電気代を支払えば、月に50ポイントが還元されます。結果として口座振替や振込用紙による支払いよりもおトクになる可能性があります。

 クレジットカード会社によってはポイントを日ごろ使える電子マネーへ交換し、支払いに使うことも可能です。

資産形成を始める

 節約により水道光熱費を減らすことができたら、株式への投資信託など資産形成を始めてみましょう。

 通常、投資信託や株式などは運用益に対して20.315%が課税されます。毎年一定金額の範囲内で購入した投資商品から得られる利益が非課税となる制度がNISA(少額投資非課税制度)です。

 満18歳以上で日本国内にお住まいの方であれば、誰でも口座を開設できます。未来に向けて、長期間投資を行いたい方なら「NISA」を活用して少額から資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。

 NISA制度は2024年から新しくなり、非課税期間が無期限になるなど、長期的な資産形成に活用しやすい制度となりました。中でも「つみたて投資枠」は国が定めた長期分散投資に適した銘柄を対象としているため、初めての方にもおススメです。常陽銀行では投資が初めてという方でも分かりやすいように、厳選したファンドをご用意しております。窓口来店の予約しておけば、待ち時間なく相談も可能です。

NISAについてはこちら

店舗での相談予約はこちら

まとめ:生活の仕方を見直して光熱費を節約しよう

 水道光熱費は生活スタイルや家族構成によって大きく異なります。光熱費を節約したい場合は、まずは生活の仕方を見直すことから始めて、今の生活に合うプランを契約したり、普段の使い方で注意する点を見つけたりしましょう。

 また、光熱費は地域や気候によっても大きく変動します。対策ができる範囲をきちんと見極めたうえで節約に取り組んでみましょう。

 クレジットカードで料金を支払うことでポイントを得たり、節約で浮いた生活費を活用して資産形成を始めたりするのもおススメです。自分に合った方法で光熱費対策を行いましょう。

(2024年1月4日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。

以 上

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