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NISAは途中で引き出しができる?方法や引き出しを検討するタイミングを解説

 NISAで運用を始めてからは、資産をどのように管理していくかが大切です。NISAで運用している資産を引き出すには、預金口座のように現金で引き出しができるわけではなく、まずは運用した資産の「売却」が必要です。

 この記事では、NISAで運用している資産の売却方法や売却する時の注意点、事前に考えるべきことを解説します。

NISAで運用している資産は途中で引き出せる?

 NISAで運用している資産は、運用中でも引き出し(売却)が可能です。

 ここでの「運用している資産の売却」とは、保有している投資信託などの資産を現金化して、自分の普通預金口座などに入金することを指します。資産を売って現金化することで、運用した分のお金が手元に入ってくる仕組みです。売却回数の制限や売却時期の指定などはありません。また、売却時にNISA口座を同時に解約する必要はないので、運用している資産の一部を売却したり売却後に新たな資産で運用したりすることも可能です。

 加えて、NISAで運用している資産の売却は、iDeCoのように「60歳まで引き出せない」といった年齢制限はありません。また、定期預金のように「原則満期まで引き出しはできない」といった期間の制限もないのが特徴です。

NISAのお金を引き出すときの注意点

 NISAで運用している資産を引き出す(売却する)前には、以下の点について理解しておきましょう。

 売却してから後悔することがないよう、事前にこれらの注意点などをよく理解しておきましょう。

手数料がかかる場合がある

 売却する際、運用している商品によっては手数料がかかる場合もあります。一部の投資信託で、売却時に差し引かれるものが「信託財産留保額」です。これは売却代金から差し引かれますが、運用会社や販売会社の収益になるものではなく、投資信託に残す財産のことです。売却時には、投資信託を現金に換金するために様々な費用が発生します。その費用は投資信託を保有し続ける人ではなく、売却する人に負担してもらう仕組みになっています。

 投資信託の種類によって信託財産留保額の金額は異なり、差し引かれない投資信託もあります。詳細は各投資信託の目論見書に記載されているので、事前に確認しておくと良いでしょう。

現金化するまでに日数がかかる

 NISAで運用している資産の売却手続きは、複数のステップを踏むため、完了するまで数日~1週間前後かかります。

 売却までのステップは「売却手続き」「約定(売買成立)」「受渡(入金)」の3つです。一般的に、売却手続きから約定まで1〜3営業日、約定から受渡まで2〜5営業日程度を要します。土日や祝日がある場合には、さらに時間がかかる可能性もあるでしょう。

 銀行の普通預金口座のように、すぐに現金化ができるわけではないため注意が必要です。すぐに使う予定がある場合、早めに売却手続きを済ませましょう。

複利の効果が得られない

 「複利の効果」とは、運用で得られた利益を再投資することで、元本のみを運用し続けるより大きな利益が期待できる効果です。一般的に長い期間運用するほど、その効果が大きくなると言われています。

 そのため、利益が出るたびに短期間で売却してしまうと、再投資にまわる資産が減り、十分な複利の効果を得られなくなるのです。

利益が出ているとは限らない

 売却のタイミングは自由ですが、常に利益が出ているとは限りません。NISAで運用している資産は預金ではないため、元本保証ではありません。評価金額が購入時より下落しているタイミング、つまり元本割れの状態で売却してしまうと、当初の購入金額よりも少ない金額が手元に返ってくるため、損失が確定してしまいます。

 しかし、一時的に元本割れの状態になったとしても、そのまま運用を続けていれば、再び評価金額が上がる可能性もあります。焦って売却してしまうと、タイミングによっては損失が大きくなる場合があるため、冷静に判断しましょう。

非課税枠の復活は翌年まで待つ必要がある

 NISA口座内の商品を売却すると、その商品の購入金額(取得価額)分の非課税枠は、復活しますが、売却した年には再利用できません。復活するのは翌年からです。

 なお、非課税枠が復活するのは、あくまで生涯にわたる非課税保有限度額である1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)までです。それ以上の金額まで非課税枠が増えるわけではない点もおさえおきましょう。

【3ステップ】NISAのお金を引き出す方法

 ここでは、NISAで運用している資産を売却する方法を紹介します。常陽銀行の手続きは、以下の3ステップで進めます。

  • 1.投資信託メニューにログインする
  • 2.保有している資産を売却する
  • 3.普通預金口座で受け取る

投資信託メニューにログインする

 まず、投資信託の取引メニューにログインします。常陽銀行の場合は、常陽バンキングアプリなどから手続き可能です。日頃から利用しているアプリやインターネットバンキングなどの環境で手続きすると良いでしょう。

保有している資産を売却する

 ログインが完了したら、保有している資産の売却手続きを行います。常陽銀行の場合、売却メニューから希望するファンドを選択します。

 売却は一部売却か全部売却か選べるため、「一部」または「すべて」の好きなほうを選び、金額を入力して確認ボタンを押します。最後に内容を確認して「実行」を押します。

普通預金口座で受け取る

 売却手続きが終わったら、普通預金口座への入金を待ちましょう。

 まず、「約定日」になると売却の取引が成立し、売却価格が決まります。その後、「受渡日」になると、売却した資産がNISA口座から普通預金口座に入金されます。投資信託ごとに「約定日」と「受渡日」は異なるため、前述の「実行」前の確認画面で確かめておきましょう。

NISAのお金を引き出す前に考えたいこと

 NISAで運用している資産の売却は、計画的に行う必要があります。シチュエーション別に、売却する前に考えたいことを解説します。

急にお金が必要になった時

 なんらかの事情で急にお金が必要になった時は、必要な分だけ売却すると良いでしょう。NISAで運用している資産は、一部だけでも売却が可能です。また、前述のとおり、売却すると複利の効果を十分に得られなくなります。売却する目的にあわせて「いくらくらい必要なのか」「残りの資産はどう運用を続けていくか」といったことを考えたうえで、必要な金額だけ売却するようにしましょう。

ライフイベントの変化で積み立てが難しくなった時

 ライフイベントの変化などで、毎月の積み立てが難しくなるケースも考えられます。例えば、結婚・出産、退職、子どもの進学や車・住宅の購入などが挙げられます。

 こうしたときは、積立金額を少なくしたり、一時的に停止したりすると良いでしょう。金額を減らせば、無理のない範囲内で運用を続けられます。

 また、一時的に積み立て設定を解除(積み立てを停止)しておけば、今まで積み立てした資産のみで運用を続けることが可能です。家計に余裕が生まれたら積み立てを再開し、次のライフイベントなどに向けて備えていくと良いでしょう。

売却を迷っている時

 売却をするかどうか迷っている時は、銀行などの金融機関へ相談してみましょう。口座開設時だけでなく、運用中の相談も受け付けています。

 売却のタイミングのほか、運用資産(ポートフォリオ)の見直しや相場下落時への備えなど、資産運用に関するさまざまなことを相談できます。

 なお、投資対象の成長が期待できる場合は、あとから売却したほうがより多くの利益を受け取れる可能性もありますので、売却する前に運用を長期的に継続することを検討してみてください。もし、自分で判断が難しいという場合は、金融機関の担当者へ相談してみると良いでしょう。

 常陽銀行は土日でも相談を受け付けている店舗があります。来店予約をしておくとスムーズに相談できるでしょう。また、オンラインでの相談も受け付けているため、活用を検討してみると良いでしょう。

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NISAの引き出しに関するよくある質問

 NISAで運用している資産の引き出しに関する質問・疑問に回答します。

NISAの引き出しはいつからできますか?

 NISAで運用している資産は、基本的に運用開始後いつでも売却が可能です。iDeCoのように年齢制限はないため、どのタイミングで売却しても構いません。

NISAを一部引き出しする際に注意すべき点はありますか?

 NISAで運用している資産を一部売却する際は、売却するタイミングの損益状況が重要です。マイナスの状態で売却すると、その時点で損失が確定してしまいます。また、運用損益がプラスの銘柄とマイナスの銘柄の両方を保有している場合、プラスの銘柄だけを一部引き出すと、運用資産(ポートフォリオ)全体の運用損益がマイナスに傾く場合がある点も考慮しましょう。

NISAの引き出しには回数や金額の制限はありますか?

 NISAで運用している資産は、売却回数に制限はありません。任意のタイミングで必要な金額を売却できます。ただし、前述のとおり現金化されるまでには日数がかかるため、余裕をもって手続きしましょう。

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NISAの引き出し方をおさえて理想のライフプランを実現しよう

 NISAで運用している資産はいつでも売却できますが、その際は手数料や複利の効果への影響などを十分考慮したうえで手続きしましょう。

 常陽銀行なら、口座開設後も個々のライフプランにあわせた提案やアドバイスが可能です。売却するタイミングなどの相談ができるため、安心して運用を続けたい人は、ぜひ利用してみてください。

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(2025年12月4日)

本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。

以上

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