地方銀行で新NISAを始めるメリット・デメリットは?ネット証券とサービスを比較

モノやサービスの価格が上昇し、資産運用でお金を増やそうと検討し始めている人もいるでしょう。これから資産運用を始める人が使いたい制度が「新NISA」です。
新NISAは銀行や証券会社で始められます。地方銀行で新NISAを始めるメリットは、以下の5点です。
- 対面での相談ができる
- デジタルでの手続きに不慣れでも申し込める
- 地域に密着しており信頼感や安心感がある
- 地域開催の新NISA勉強会・セミナーに参加しやすい
- 投資・預金・ローンを一元管理できる
この記事では、地方銀行で新NISAを始めるメリット・デメリットを解説します。
目次
地方銀行で新NISAを始める前に概要をおさらい

新NISAは、2024年から始まった新しいNISA制度(少額投資非課税制度)のことで、運用益を非課税で受け取れるのが特徴です。通常は株式や投資信託から得られる利益には、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合計20.315%の税金がかかります。しかし、新NISAでは税金がかからないため、より多くの運用益を受け取れるのです。
また、新NISAは年間120万円が投資上限の「つみたて投資枠」と年間240万円が投資上限の「成長投資枠」に分かれています。つみたて投資枠では金融庁が厳選した投資信託に、成長投資枠では投資信託のほかに株式やETF(上場投資信託)などに投資できます。
新NISAでは、非課税で保有できる期間が無期限となり、口座も恒久化されました。そのため、生涯にわたって投資を続けられます。非課税で保有できる生涯投資枠は1,800万円で、成長投資枠はそのうち1,200万円までです。
なお、新NISA口座は銀行や証券会社で開設できますが、保有できるのはすべての金融機関で1人につき1口座までです。口座を開設する際は、金融機関ごとの新NISAを始めるメリット・デメリットを比較したうえで決めていくと良いでしょう。
地方銀行・メガバンク・ネット証券で新NISAを始めるメリット・デメリットを比較
金融機関の種類 | メリット | デメリット |
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地方銀行 |
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メガバンク |
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ネット証券 |
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【比較】新NISAは銀行とネット証券どっちで始めるべき?

新NISAは銀行やネット証券で利用できます。それぞれの特徴を比較してみましょう。
項目 | 銀行 | ネット証券 |
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取扱商品 | 投資信託 | 投資信託、株式、ETFなど |
投資信託の銘柄数 | 限られている | 多い |
購入手数料 | 一部の銘柄では かかる可能性あり |
無料のケースも多い |
サポート体制 | 対面サポートなどに対応しており充実している | オンラインまたは電話のみ |
最低積立金額 | 1,000円〜が多い | 月100円〜 |
積み立て頻度 | 月1回が多い | 週1回、月1回、隔週など |
クレカ積立や ポイントサービス |
対応していない可能性が高い | 対応している金融機関複数あり |
銀行は取扱商品が投資信託のみで銘柄数も限られていますが、サポート体制が充実しており初心者に適しています。サポートを受けながら新NISAを始めたい人は銀行での口座開設を検討してみましょう。
一方、証券会社は購入手数料がかからないケースが多く、取扱商品や銘柄数が多いため、さまざまな商品に投資したい人に適しています。また、新NISA以外にも個別の株式投資などもできるため、新NISA以外の投資にも興味がある人に向いています。
どちらが良いのかしっかり吟味して決めたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。
メガバンクにはない地方銀行の強みとは?

メガバンクと比較した地方銀行の強み
アクセス面 | サポート面 | |
---|---|---|
メガバンク | 全国展開だが一部地域には店舗が存在しない | 店舗によっては行員が少なく自分に合ったサポートが受けられるか分からない |
地方銀行 | 特定の地域で重点的に店舗を構えておりアクセスしやすい | 多くの店舗に行員がおり、担当者がつくなど自分に合ったサポートが期待できる |
メガバンクにはない地方銀行の強みとしては、アクセスのしやすさが挙げられます。地方銀行は特定の地域で重点的に店舗を構えているためです。メガバンクも全国展開しており、さまざまな場所に店舗を構えていますが、地方では店舗が存在しない場所もあります。
店舗へのアクセスがしやすければ、投資に関する相談がしやすく、必要なときにアドバイスを受けられます。近場に店舗がある分通いやすいため、担当の行員との関係性も深められるでしょう。
もう1つの強みは、担当者がつく場合が多いため、自分の考えに合ったサポートが受けられる点です。メガバンクは地域によっては行員が少ない場合があり、担当者をつけられない可能性があります。地方銀行なら、多くの店舗に資産運用の相談に対応できる行員がいるため、買い物のついでなどに立ち寄って話を聞けます。
新NISAを地方銀行で始めるデメリット

新NISAを地方銀行で始めるデメリットは、以下の4つです。
- 購入手数料が高くなる可能性がある
- クレカ積立やポイントサービスに対応していない
- 個別株やETFに投資できない
- 営業時間外は対面での相談ができない
地方銀行での新NISAのデメリットをそれぞれ解説していきます。
購入手数料が高くなる可能性がある
銀行の新NISAでの取扱銘柄は、ネット証券のものよりもコストがかかる可能性があります。
新NISAには成長投資枠がありますが、購入手数料は一部のネット証券では無料なのに対し、銀行は購入手数料がかかる可能性があります。購入手数料は金融機関ごとに異なり、銀行はネット証券に比べるとやや高めの傾向です。
ただし、つみたて投資枠は銀行・ネット証券どちらも購入手数料無料です。初めて投資をする人や、つみたて投資枠しか使わない予定の人、元手を多く用意できない人などは購入手数料を過度に気にする必要はないでしょう。
クレジットカード積立やポイントサービスに対応していない
銀行では新NISAの利用によるポイントサービスやクレジットカード積立に対応していないケースが多いです。ネット証券は大手ポイントサービスと連携していたり、クレジットカードで積み立てができたりします。投資でポイントを貯めたい人は、銀行の新NISAは向いていないかもしれません。
ただし、クレジットカードでの積み立てやポイントサービスはあくまで投資による副産物です。そのため、ポイント目当てで投資するなど、本来の投資目的から外れてしまう可能性があります。銀行の新NISAにはポイントサービスがないことが多いですが、その分投資計画の立案や現状の運用成績の把握など、資産形成に集中できます。
個別株やETFに投資できない
銀行では個別株やETFに投資できません。新NISAの成長投資枠は投資信託のほかに上場株式やETFなどに投資できますが、銀行では基本的に取り扱っていません。そのため、株式やETFに投資したい人は証券会社で新NISAを始める必要があります。
ただし、ネット証券で個別株やETFを買う際は、すべて自分で手続きしなければならないうえ、事前に十分なリサーチをしておく必要があります。個別株やETFへの投資は、投資信託を始めるよりも難易度は高いと言えるでしょう。
店舗のある証券会社では、担当者からアドバイスを受けながら投資ができます。しかし、対面での売買は手数料が高くなる可能性があるため、注意が必要です。
営業時間外は対面での相談ができない
銀行では対面相談が魅力の1つですが、相談できるのは原則営業時間内のみです。銀行は基本的に15時までには窓口が閉まってしまうため、相談時間は限られてしまいます。最近ではお昼の時間帯も窓口サービスを停止している場合があるため、あらかじめ相談内容が決まっている人はある程度要点をまとめておいたほうが良いでしょう。
ただし、銀行によっては土日も窓口サービスを実施している店舗があったり、オンラインで対面相談ができたりする場合もあります。例えば、常陽銀行では土日も窓口が開いている店舗があったり、オンラインで対面相談ができたりします。
新NISAを地方銀行で始めるメリット

新NISAを地方銀行で始めるメリットは以下の5つです。
- 対面での相談ができる
- デジタルでの手続きに不慣れでも申し込める
- 地域に密着しており信頼感や安心感がある
- 地域開催の新NISA勉強会・セミナーに参加しやすい
- 投資・預金・ローンを一元管理できる
地方銀行の強みは、充実したサポート体制がととのえられている点です。メリットをそれぞれ解説していきます。
対面での相談ができる
地方銀行で新NISAを始めれば、対面での相談ができ疑問点や不安な箇所を解消しやすいです。
ネット証券は店舗を持たないため、分からないことは自身で調べて解決しなければなりません。しかし、銀行では行員が丁寧にサポートして、分からない箇所や気になる箇所にも答えてくれます。
とくに初めて投資をする人は、投資信託の買い方や値動きの見方など、さまざまな点に不安を感じている場合もあるでしょう。事前に疑問点を解消できれば十分納得したうえで口座開設に臨めます。
地方銀行では対面での相談だけでなく、コールセンターでの相談もできるため、店舗への来店が難しい人でも安心して相談ができます。
デジタルでの手続きに不慣れでも申し込める
銀行なら、オンライン上の手続きに不慣れな人でも新NISA口座開設の手続きができます。
ネット証券は、基本的にオンラインか、書類を介してのやり取りとなります。オンラインでの手続きは慣れていないとスムーズに進められず、ストレスを感じる人もいるでしょう。また、書類手続きは郵送のため、口座開設までに時間がかかります。
しかし、銀行なら行員のサポートを受けながら、書類を記入したりスマホを操作したりできるため、スムーズに申し込み手続きができます。
銀行も現在はスマホアプリやWEB申し込みを主流としていますが、いざというときに窓口で申し込み手続きができるのは、ネット証券にはない強みです。
地域に密着しており信頼感や安心感がある
地方銀行は地域密着型の企業であり、長くその地域に住んでいる人にとっては信頼感や安心感のある場所と言えるでしょう。
地方銀行は特定の地域に集中的に店舗を展開しているため、親しみを感じやすいものです。規模が大きい銀行であれば、他県や首都圏にも店舗を構えています。転勤や引越しをしても利用しやすいため、住む地域が変わる機会が多い人でも安心です。
「とりあえず新NISAを始めたい」と考えている人は、信頼できる地方銀行で始めてみると良いでしょう。
地域開催の新NISA勉強会・セミナーに参加しやすい
銀行では店舗を構える地域で新NISAの勉強会やセミナーを開催している場合があります。講座形式で話を聞けるため、投資計画の再考や口座開設の検討などができる貴重な機会となります。
銀行によってはオンラインでのセミナー開催に対応している場合もあり、気軽に参加しやすいのもメリットです。参加費がかからないケースも多く、無料で専門家の貴重な話を聞けます。
投資・預金・ローンを一元管理できる
銀行で新NISAを始めれば、投資を含めた金融商品の一括管理が可能です。
銀行では投資のほかに預金やローンも提供しています。貯蓄や給与受取、マイカーローン、住宅ローンの契約など、日常のお金の管理を一箇所で済ませられます。
お金の管理が一箇所でできれば、家計のお金の流れが見えやすくなり、より詳細な貯蓄額目標を立てられたり家計の改善ができたりします。給与受取口座にクレジットカードや公共料金の引落も設定しておけば、支出額も分かり無駄な費用の削減も期待できます。
地方銀行で新NISAを始めるのがおススメな人

地方銀行で新NISAを始めるのがおススメなのは、以下に当てはまる人です。
- 充実したサポートを受けながら投資をしたい人
- お金の管理を一箇所に集約したい人
- サービスの信頼感や安心感を重視したい人
地方銀行の新NISAは充実したサポートが強みです。対面で相談したい人や分からないことを聞きながら手続きを進めたい人におススメです。
また、銀行では新NISAのほかに預金やローンも取り扱っているため、お金を1つの金融機関で管理でき、家計のお金の流れが見えやすくなります。例えば、常陽銀行はスマホアプリで口座残高などを確認できます。
さらに、信頼感・安心感があるサービスを求める人にもおススメです。地方銀行は地域と密接な関係を築いており、顧客一人ひとりに丁寧なサポートが行き届くようになっています。新NISAやお金に関する知識がない人でも簡単に投資ができるよう支援してもらえるため、安心して新NISAを始められます。
地方銀行の新NISAに関するよくある質問

地方銀行の新NISA利用に関する質問や疑問をまとめました。口座開設時の参考にしてください。
銀行での新NISAはやめたほうが良いと言われるのはなぜ?
「銀行で新NISAを始めるのはやめたほうが良い」と言われるのは、購入手数料がかかるケースがあることや、商品数、投資信託銘柄数が少ないことが理由です。
しかし、限られた商品・銘柄であれば投資するものを選びやすいというメリットもあります。また、つみたて投資枠なら銀行でも購入手数料無料で買付が可能です。対面で相談ができるといったサポート面の強みはネット証券にはないため、銀行で新NISAを始めるのも十分に検討の余地があります。
新NISAの口座変更はできる?
新NISAは金融機関の変更が可能です。そのため、銀行で始めても後から別の金融機関へ変更できます。
金融機関の変更は、変更したい年の前年10月1日から当年9月30日の間で手続きができます。ただし、変更しようとする年に1回でも新NISA口座での買付があると、その年は金融機関変更はできないため、注意しましょう。
地方銀行の新NISAはメリットが豊富

地方銀行で新NISAを始めれば、さまざまなメリットを享受できます。とくに初心者の人は銀行で新NISA口座を開設すれば、安心して始められるでしょう。
常陽銀行では、新NISA口座がアプリから申し込みできるのも特徴で、店舗に来店する時間がない人でも口座開設手続きが可能です。もちろん対面での相談も受け付けており、分からないことは担当者に聞きながら口座開設ができます。
茨城・千葉などの関東圏や福島に在住の人は、常陽銀行での新NISA口座開設を検討してみましょう。
(2025年8月8日)
本コラムの内容は掲載日現在の情報です。
コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。
以上