親のために、子のために、介護について知っておきましょう

 年齢を重ねると、体調を崩したり、日常生活に不便が生じたりするのは自然なことです。

 体調変化に早めに気付くことができれば、幸せな時間を長く持つことができ、介護が必要になった時にも慌てず準備することができます。

介護サービスにはどんな種類があるの?

 介護保険サービスには色々ありますが、重要なことは「本人がどんな介護を望んでいるか?」「介護する側からみてどんな介護が望ましいか?」を考えることです。

 介護は、大きく分けると「居宅」で介護するか、「施設」に入居するかに分けられます。それぞれの特徴を正しく理解して、利用しましょう。

介護の選択肢

本人や家族の希望 選択肢 特徴
まずは機能を回復させたい 介護老人保健施設
(老健)
医師の指示のもと、数カ月入所して、集中的にリハビリを行い、自宅復帰をめざす。
自宅で介護したい 訪問介護 ヘルパーが食事・排泄・着替え・入浴などの介護や掃除、洗濯などの生活支援をしてくれる。
訪問看護 医師の指示で看護師が病状の観察や看護、排泄の支援などをしてくれる。
訪問リハビリ 医師の指示で理学療養士や作業療養士などがリハビリをしてくれる。
訪問入浴 自宅で入浴できない場合、専用の浴槽を持ち込んで入浴させてくれる。
居宅療養管理指導 医師や歯科衛生士、薬剤師などが口腔ケアや服薬の指導などをしてくれる。
自宅で介護するが施設も利用したい 小規模多機能 自宅での訪問介護を中心に、デイサービスとして通うことができる。ショートステイも可能。
デイサービス 施設に通い、食事や入浴、レクリエーションなどの介護サービスを数時間受ける。
デイケア 施設に通い、心身の機能の維持・回復を図るためにリハビリを受ける。
認知型デイサービス 認知症の人を受け入れ、食事や入浴、排泄介助をする施設に通う。
自宅で介護するが短期で宿泊したい ショートステイ 自宅で介護できない時、1日〜1週間程度、一時的に泊まれる介護施設。
療養ショートステイ 自宅で介護できない時、要介護3以上の人でも、一時的に泊まれる施設。
施設で介護を受けたい
  • ○サービス付き高齢者向け住宅
  • ○住宅型有料老人ホーム
  • ○介護付き有料老人ホーム
  • ○ケアハウス
  • ○特別養護老人ホーム

 ⇒入所する。施設の種類や費用などは、さまざま。

「居宅」での介護には、どんなサービスがあるの?

 居宅介護を行う場合には、訪問介護・訪問看護・訪問リハビリなどの居宅型のサービスが利用できます。また、定期的に施設に通うデイサービスや短期的に施設に宿泊するショートステイの利用も可能です。

 こういった選択肢の中からどんなサービスが必要なのか考えていきます。例えば、家族がいない日中はデイサービスを利用する、介護者の負担軽減のためにショートステイを利用するなどです。

 本人や家族の要望は、ケアマネがヒアリングしてくれるので、困っていること・不安なこと・できないことはしっかりと伝えましょう。ケアプランの目的は「要介護者の状態ができるだけ改善・維持できるようにする」ことですので、本人や家族の要望が全て反映されるものではありません。また、サービスの上限額も決まっていますが、現在の状況や悩みを正しく伝えることが大切です。

 実際に介護サービスを受け始めると、ケアマネが月1回以上自宅を訪問して面接が行われます。悩みや問題、希望がある場合は気軽に相談し、ケアプランの見直しや変更を依頼してみましょう。

 また、配食サービス、家事支援サービス、外出支援サービス、訪問理美容サービスなどを行っている自治体や民間企業もあります。介護保険サービスだけでは不足する場合には、このようなサービスを利用することもできます。

「施設」に入居する場合、どんな施設があるの?

 自宅で介護できない場合や家での介護を望まない場合は、特別養護老人ホームなどの高齢者向け施設に入居します(施設型サービス)。

 費用が安いのは「特別養護老人ホーム(特養)」です。しかし、地域によっては特養の数が足りておらず、入居を申し込んでも入れない待機者が数多くいます(厚生労働省は2016年の待機者は全国で36.6万人だったとの調査結果を発表しています)。入居できるのは、原則として要介護3以上の人です。入居時の費用はかからず、毎月の負担は要介護状態や収入などに応じて、毎月5〜15万円が目安です。

 特養のほかには、「サービス付き高齢者向け住宅」「ケアハウス」「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」などがあります。入居するときの状態や負担できる金額によって、入居施設の選択肢が異なってきます。

主な老後の住まいの種類と費用の目安

種類 入居時の状態 入居時の
費用
月々の
支払い
特徴
サービス付き
高齢者向け住宅
元気なシニア
または
要支援程度
0〜50万円 5万〜
25万円
食事、緊急時対応、生活相談サービスのついたバリアフリーの集合住宅。介護事業所と併設しているところが多い
住宅型
有料老人ホーム
2,000万〜
5,000万円
15万〜
20万円
主に居住を求める人が対象。食事や緊急時対応サービスが提供される。介護サービスは別途契約することが多い
介護付き
有料老人ホーム
元気なシニア
または
要支援・要介護
0〜
3,000万円
15万〜
30万円
介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設。住居と介護サービスの提供が受けられ、元気なうちに入居できるところもある
ケアハウス 0〜
500万円
8万〜
18万円
自立した人向けの「一般型」と「介護型」がある。自治体の助成を受けており費用は安めだが、施設数は少ない
特別養護
老人ホーム
要介護3以上 0円 5万〜
15万円
要介護3以上で介護の優先度が高い要介護者が入所できる施設。24時間介護サービスが受けられ、終身利用も可能

「施設」を決める際のポイントはありますか?

 「施設」を決める際のポイントは、比較検討です。複数の候補施設を見学したり、体験入所が可能であれば積極的に利用したりして、事前にしっかりと比較してみましょう。

 例えば、同じ「有料老人ホーム」であっても、基準はありますが入居者1人あたり何人の介護・看護職員が配置されているかは施設ごとに異なります。また、きめ細やかなサービス(高機能なベッド、セミオーダーのマット、身体状況に応じた食事、個室の風呂)を提供している施設もあります。

 費用がどれくらいかかるのか?規定の費用以外に実費がどの程度かかるのか?死亡などで退所・退去する場合に費用が返還されるのか?などについても、事前にしっかりと確認しましょう。

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【監修】井戸 美枝(いど みえ)

井戸 美枝

CFP、社会保険労務士。国民年金基金連合会理事(非常勤)。
経済エッセイストとして活動。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに、数々の雑誌や新聞の連載記事の執筆をはじめ、講演、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題、年金・社会保障問題を紹介。
近著に『身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと』(東洋経済新報社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください』(日経BP社)、『残念な介護 楽になる介護』(日経プレミアシリーズ)など。

(2021年6月7日)

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以 上


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